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山歩きの基本を学習する~小仏城山にて

2016年5月22日

・山道で、登り下りが交差した時は、原則として登りが優先する。
・必要がない場合は熊鈴をむやみに鳴らさない。
・人混みや車内ではストックは手に持ち、ザックにはくくりつけない。
・山頂標識、三角点周辺は占拠しないで空けておく・・・・・etc・

~こうしたことは山歩きの世界では誰でも当然に知っておかなければならない基本的マナー、ルールです。
ところが中高年登山が一種のブームになってからこうしたことにはトント無頓着としか思えないハイカーがけっこう多くなっています。
決して悪意からではなく、恐らく基本を知らないためでしょう。
しっかりした山岳会などに入っていればそうしたことはトレーニングされるのですが・・・。
今さら組織に拘束されたくないと考える人は気ままに山歩きを楽しみたい道を選びますから、そうした常識を学ぶ機会がないままに山に入っている結果がもたらしている現象です。

一例として「熊(除け)鈴」を採りあげてみます。
熊鈴の音は山の静謐さを損ねる耳障りな人工音そのものです。
したがってクマが出没しそうな季節や山域で限定的に使用すべきです。
ところが絶対にクマが出そうにないシチュエーションでもチンジャラチンジャラ騒音をまき散らしながら歩く人が少なくありません。
甚だしいのは電車内であろうが、行列が絶えない丹沢バカ尾根でも鳴らしています。
また一人で3個もつけていたり、グループの全員で協騒曲を演奏じている場面にも出あいます。
たいていが山の初心者で、山歩き気分をより盛り上げる小物として、無邪気にまた得意気に熊鈴を鳴らしているようです。
この音が他人にどれだけ不快な思いをもたらせているか、については全く頓着していません。
これは「無知」からきています。
彼女、彼らは熊鈴が他人に迷惑を及ぼしていることを誰からも教えられず、学ぶことのないままでいるのです。
稀に登山関係の本や雑誌に熊鈴は無暗に使うな、式の啓蒙記事もありますが、彼女、彼らはこうした記事を読むこともありません。
かくして今日もどこかの山で、あの金属的で耳障りな熊鈴の音が、ただ風のそよぎや、野鳥の囀りを聴きたいために山に入っている人の神経を逆なでていることでしょう。

私たちの会でも山歩きが好きなグループの端くれの責務として、外部講師を招いたり、自主的な勉強会をしたりして一応の対処はしてきています。
ところがこれが座学なのでなかなか聞く耳にとどかず、身につかないで、実践の場で生かしきれないきらいがあります。

そこで実際に山を歩きながら歩行技術、マナー、ルール、地図読みなどを学習する、いわばO・J・T(オン・ザ・ジョブトレーニング)を会としては初めて今日(20日)実施してみました。

Photo スタート前のミーティング~改めて今日の目的を確認。
参加者14名のうち本物のビギナーは数名です。
残りはそれなりの経験者ばかりなのに、何故か参加したのでしょうか?
先生役の私のお手並みを拝見しようとの意地悪な魂胆かな・・・

Photo_2 先ずは足元から~フックの掛け方(これは好みの問題)、止め結びやり方(W蝶結びが一番簡単)などから始めます。
・・・ちなみに私は専らリール式の靴を履いているので、靴紐について頭を悩ますこととは無縁ですが・・・。

Photo_3 登り優先で山側に待避して道を明ける~何故登り優先なのか?
何故山側に待避するのか?
単にマナーでそうなっているから、ということではなく、何故そういううマナーが定着したかを考えました。

Photo_4 ここでは今いる場所が地形図のどこになるのか、周囲の物理的情報を総合して判断します。
山歩きで道迷いを起こさない最大のポイントは、自分がいる位置が地図上のどこに当たるかを連続的に確認していくことです。
現在位置が分からなくなったら、地図もコンパスも限定的にしか役に立ちません。
~もっとも昨今はGPSという強力なツールがありますが・・・

Photo_5 今日の目標地、小仏城山山頂でK氏によりコンパスと地図を使って今見える山が何山であるかを同定する(今見えている山が目的の山であるかどうかの確認も同じ・・・)方法を学びます。
コンパスは万能ではないが、知っておくことには意味があります

Photo_8 城山山頂 ~高尾山には及びもつかないが、ここにもそれなりに人が集います。

城山東尾根を下山ルートに使い、尾根道特有のアップダウン地形が、地形図の等高線でどのように描かれているか、そのことから自分の現在位置を判定することを学習しました。

Photo_6 山道が左右に分かれています。
左の入り口に枯れ木が数本横たえてあります。
これは「こっちは登山道ではないよ」というサインであることもノウハウの一つとして覚えてもらいます。

Photo_9 城山東尾根は数年前まではヴァリエーションルート扱いされていましたが、ここ数年で立派な登山道に変貌し、今やこんな標識まで置かれるようになりました。
ここで日影沢を渡渉すると研修ハイクはほどなく終了します。

Photo 高尾駅前で反省会
これポッキリなのでいつもに比べるとかなり質素です。
今日やったことに果たして意味があるのかどうか、時が答えを出してくれるでしょう。

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コメント

登山をしない私にはコメントの資格はありませんが
風花さんのお元気な様子を拝見してうれしく思いました。
何事も基本をしっかりとマスターしておくことが大事ですね。

投稿: おキヨ | 2016年5月22日 (日) 12時08分

おキヨ様
絵は基本など知らない子供でも描きます。
山も歩くことさえできれば何も知らなくても登れます。
しかし、どちらもそうですが、上達するためには基本を学ぶことは欠かせない条件ですねよ。
山の場合には遭難とも直結しかねないので、基本は疎かにできません。
特にノウハウのようなことは経験の積み重ねでしか習得できないので、その点では私の場合はいくらかは培われているかもしれません。

投稿: 風花爺さん | 2016年5月22日 (日) 16時18分

昨日(22日)新潟県新発田市にある「飯豊の展望台」として人気の二王子岳に行きました。此処でも、仰せのマナー悪い人がいて「このザックどかして頂けますか?」と言うと、「エッ!何で」と言うのです。
「二王子岳」という立派な標柱のすぐ脇にザックを掛けているのです。
標識は写真を撮るもので、其処にザックを寄せ掛けているなんて、もっての他だと思うのですが・・・
私は、少々の学習をしても直に忘れる「地図の読めない女」です。
今は「女」と言うより「オバサン」ですが。
そんな状態ですが、スマホアプリのGPSには助かっています。
なんと言っても自分の現在地が分かるのが安心の一助になっています。

投稿: のりこ | 2016年5月23日 (月) 04時46分

のりこ様
飯豊山の展望台~二王子岳・・・私が行きたくて、行きたくて、しかしついに行けずじまいに終わりそうな久恋の山です。
山に限らずマナーの悪さというものは無知や無神経からくるのですが、人に迷惑をかけない、というベンチマークを自分の中にしっかり持っていればたいてい避けられることなんですね。
地図読み、コンパスの使い方は山の必修科目だったのですが、GPSの普及ですっかり様変わりしていますね。
私もスマホのお陰で現在地の確認が容易になり助かっています。
科学とは一番縁遠い山の世界もITの恩恵をこうむるようになっているのですね。
今昔の感があります。

投稿: 風花爺さん | 2016年5月23日 (月) 06時43分

風花さん、こんばんは

その昔は山の掟とか言われ、色々教えを被った事が思い出されますが、今の登山者の八割方は基本などほとんど存じ無いのでは?と思っています。他人への配慮よりも、自分を守る事すら知らないのですから仕方ありませんね。しかし熊は怖い様です・・smile 最近は登り優先と、待たれるのも辛くなりました。

投稿: 岳 | 2016年5月23日 (月) 20時45分

岳様
他人の迷惑など一顧だにしないマナーの劣化は山の世界に限りませんね。
昔の大学山岳部や街の山岳会などで横行していた「シゴキ」は教育とか指導の範囲を超えていた蛮行でした。
一人で登っているとき、大勢の下山グループと出あうと辛いことになりますね。
そんな場合、私は先に降りてもらうようにしています。
逆に私が下降の場合、団体に遭遇すると、判断力のあるリーダーに率いられていると先に下ろしてもらえます。
昔のように重荷を背負う登山が少なくなった現在では「登り優先」はあくまで原則で、その局面でどうするかは応用問題として臨機応変に対応するものですね。
お互いマナーをよく心得たグループ同士が、適切に対応することは気持ちの良いもので、言葉にはしなくても、互いに”良く訓練されたパーティーだな”と相手を称賛していると思います。
私たちの会が他から”マナーの良いグループだ”と評価されるような会にしたいと、これまで私はやってきました。

投稿: 風花爺さん | 2016年5月23日 (月) 21時13分

風花さま~ こんにちは。

研修ハイクーお疲れ様でした。
お元気な姿を拝見して何よりかと思います。

私は単独でも熊鈴は先ず付けた事がありません。
持つていないで付けようがないのがですが・・・
多くのハイカーが行き交わす場所でも得意げに付けている方が見られます。
後方を歩いていると結構耳触りで不快さが増すだけの代物です。時にはラジオを鳴らしながらのハイカーも見受けられ
これでは山の静謐さもあったものではありませんネ。

舛添氏第三者の公正な目で厳しく調査の一点張りには笑っちゃいました。お友達弁護士に弾んで頼むのでしょうかね・・・
外遊しても美術館巡りが70パーセントで保育所や介護ホームは
視察ゼロだったそうです。

確か厚生大臣の時が一番輝いていたようですが
これからも東京都民のために誠心誠意頑張るとか・・・・空疎どすな~

投稿: かおり | 2016年5月24日 (火) 16時05分

かおり様
熊鈴も時には有用だと思える場合があります。
およそ人が入りそうにない山を歩いているとき、反対側からチリンチリンと次第に近づいてくる鈴の音で、誰か来るなということが分かりこころの準備ができます。
これが曲がり角でフイに二人が鉢合わせしたらお互いにビックリするでしょうね。
舛添さんにはもう呆れるばかりです。
自分の金にはケチで、他人様の金になると見境なく浪費する。
そんな器の小さな人物だったことが露呈してしまいました。
弁明を重ねるごとにますます小物ぶりが際立ち、マンガティゥtクになるばかりです。
多くの都民はもう見放していると思います。
そんな人がこれからどんな高邁な言葉で都政を語っても、都民は信頼しません。
有権者の信頼を失った舛添さんに残された道は一つしかないでしょうね。

投稿: 風花爺さん | 2016年5月24日 (火) 17時06分

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