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ユキワリソウには遅すぎた~五日町・六万騎山

2016年4月19日

小松左京は日本全国の活断層図を見て「これじゃわれわれは『ひび焼き』の陶器の上に住んでいるようなものじゃないか!」と、日本列島の脆弱性を嘆いた。
実際そうなのだが、私たちは日頃、無意識に
「正常性バイアス」によりかかっているものだから、深刻な危機も無視したり、過小評価したりしてこの現実の直視から逃げている。
もちろん私もそうで、何の根拠もないのに「オレが生きている間には、命を落とすような地震はこない」と信じようとしている。
そして、その結果またしても日本のどこかが熊本地震のような事態にさらされることになる。

地震のことは置いて自身のことでは、一進一退を繰り返しながら、薄紙を剥ぐようにして体調はゆっくり戻りつつあるようでもあるが、全身の不調状態はこの一ヶ月余、ほとんで改善していない。
しかし、いつまでそんなことでウダウダもしていられないし、ムリをしない程度の足慣らしもしてみたい。

新潟県、五日町の東にある里山「六万騎山321m」は目下の私の足の状態を測るには恰好そうである。
この山のことは近くにある
花の「坂戸山」と合わせて知ってはいたが、あまりに低山すぎてこれまで食指が動かなかった。
その六万騎山でユキワリソウが見られる、というネット情報があって、しかもまだ間に合いそうな内容だった。
栽培種であれば山荘で鉢植えや露地で育てたことあるが、自生しているユキワリソウは見たことがなく、長年自生種に逢いたいと焦がれていた。
有名な
角田山まで足を延ばせば、そんな願いはたやすく叶えられることもよく承知はしているが、「ユキワリソウに逢いたしと思えど、角田山はあまりに遠し・・・」と、萩原朔太郎の気分なのである。

16日、関越道を北に向けて走る。
水上辺りでグンと近づいた谷川岳は天神尾根に早くも黒い部分が見えて、寡雪だったこの冬を象徴しているようだ。
それはさらに異様としか言いようがないほどの岩原、湯沢、石打など雪の欠片も見えないスキー場の様子につながる。
それでも魚沼盆地に入ると姿を現す八海山から中ノ岳や、金城山から巻機山に連なる山々はさすがに豊かな残雪を纏っている。

Dscn5852 八海山と右の中ノ岳

Dscn5853 金城山から右の巻機(まきはた)山

この時期の、この山岳景観にはなかなかエキサイティングでいつも少々興奮させられる。
五日町で魚野川を渡ると頂上を桜で染めている小高い里山が目の前になり、多分それが六万騎山だろうと見当をつけたら、ほどなく登山口に着いた。

Dscn5854 地蔵尊に一礼し山道に入ると降りて来た人と交差したのでさっそくユキワリソウの情報を尋ねた。
すると「今いるこの辺りに咲くのだが、今年は雪解けが早かったせいで、とうに終わっている」という何ともつれない返事。
早々に今日一番の目的はあえなくついえ去ってしまった。

Dscn5871 カタクリだらけというほど、山道の両端をカタクリが埋め尽くしているが、花はあらかた終わっている。
でも、カタクリにはいささか食傷気味なので残念な気はしない。
それを補っていたのがイカリソウで、とくに濃い紅色のものが多く、今日の主役は彼(いや彼女)だった。
登る足はすっかり鈍っていて、10歩歩いては立ち休みの繰り返し。
土曜なので次々やってくるハイカーに抜かれるばかり。
どうやら一ヶ月のブランクのせいだけではない、何か別の原因があるとしか考えられない。

Dscn5858 一株だけみかけた白花のイカリソウ~ピンボケ!

Dscn5862 途中での巻機山(左)から金城山の連なり。
左端に坂戸山の裾の一部が写っている。

Dscn5863 山頂付近のサクラ~ヤマザクラであろう。
地表を覆いつくすカタクリの群落。

Dscn5866 山頂一帯はサクラのプロムナード。

Dscn5868 山頂からの巻機山(左)と金城山。

Dscn5870 八海山はグンとズームインでまじかに迫る。

Dscn5869 北に遠ざかりて雪白き山あり。
問えば「越後のシラネー山」とぞいふ。
~地図を案ずればこの方向でこれだけ白い山となると守門(すもん)岳になると思われるが、自信はない。

Dscn5872 下山道から振り返る山頂。
下降にとった道ではイワウチワやタムシバなど、それなりに花は咲いていたがカメラを向ける気にはなれなかった。
今、下肢が強張った状態が続いていて、階段の下りでは足の運びがスムーズにいかない。
これも一連の不調のうちの顕著な例である。
新宿駅のコンコースにある階段など走って下ることにしているが、今はとても出来ない芸当である。
用心のためストックは携えていたが、山道の下りは階段下りよりは楽なようで、ストックの厄介になることはなかった。

あれこれの症状の一つが胸のムカムカ感。
そのため食欲は著しく減退したままで、何かの食べ物をイメージしただけで拒否感が生じる。
もともとR27沿いには食欲をそそるような店が無く、そんな調子なので食事を摂ることもなく早々に帰荘した。

A        A_2
これはネット上で拝借した六万騎山のユキワリソウの画像。
来春こそ逢いにいくぞ~

今日が山歩きに戻れる小さな一歩であってほしいが、この調子では前途多難と、正直思わざるをえない。
どうしたものかな・・・

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コメント

風花さん、こんにちは

体調が良くない時は、それに引っ張られる様に何をしていても気持ちが落ち込んでしまいますね。山に向かう気持ち、とても前向きでいいとおもいます。新潟に4年もいたのに五日町は知りませんでした。六日町かと思っていました。六万騎山にユキワリソウが生息しているんですね! 十日町ルートで是非来年は行ってみたいと思います。

投稿: 岳 | 2016年4月19日 (火) 10時26分

体調が上向きのご様子で安心いたしました。
ご自身はこの回復に満足ではないようですが、山へ登りたいお気持ちがあり、実行できたことは心身の見事な回復と思います。
先日高速道からみた上越の白々とした山並みは近くで見るともうこのようにだいぶ春めいてきているのですね。
風花さんのご回復も同様だと思います。

胃の調子が早く元に戻ることを願っております。

投稿: おキヨ | 2016年4月19日 (火) 11時50分

岳様
ご存知の通り、この辺りでは六日町とか十日町ががよく知られていますが、地図をみると二日町なんていうのもありますから、おそらくかつては一から十までの地名が揃っていたのではないでしょうか?
五万騎山のユキワリソウは自生種ではなく、日本海沿いの山でしか見られないユキワリソウを、何とか内陸に定着させたいと願った地元の人たちが植生したものだそうです。
どうにかその願いが実りつつあるようです。
さて、私ごとですが山歩きを元の状態に戻せることができるかどうか、今の調子では判断できません。
しばらく手探りです。

投稿: 風花爺さん | 2016年4月19日 (火) 15時57分

おキヨ様
上越の雪山を見ていると、春がセッセと雪かきしながら山の頂を目指している様子が想像できます。
雪解けの進み具合は驚くほど早いものですね。
奥山の雪の谷が細い水流をつくり、隣の谷の細い流れを合わせ、次第に流量を増やしながら、激しい水音を挙げながら流れ下る営みは、なかなか目にすることができませんが、春が持つダイナミズム、躍動感にあふれたものですね。
私の調子は春に背いてなかなか躍動してくれませんが、このまま沈みっぱなし、ということもないでしょうから、辛抱強くその時を待ちます。

投稿: 風花爺さん | 2016年4月19日 (火) 16時10分

ようこそ、新潟県へ!!
と言っても、私は同じ県内でも、長岡、上越地域の里山は殆ど行ったことが無い山が多く、坂戸山は大昔に行きましたが、「六万騎山」は行ってないのです。
ところが・・・実は・・・16日は仕事日でしたので、17日に長岡市「雪国植物園」で花を見てから、坂戸山と六万騎山に行く予定でした。が、暴風警報が出ていたし雨模様でしたので、取り止めにしたのです。雪国植物園も捨てたものではなく、自然に近い状態で季節の山野草が次々と咲きます。
でも、足の訓練にはなりませんが。
今年の目標の一つには、地元の里山、そこそこの標高の山を登るというのは自分なりにありますので、機会を見つけて行ってみたいです。

投稿: のりこ | 2016年4月20日 (水) 11時12分

のりこ様
新潟県は三日月型に長いですから、同じ県内でも意外に行かない場所があるでしょうね。
私の場合、山荘を起点にし関越を利用すると新潟県は決して遠いところではないのですが、つい目が東京方面に向いているため「遠隔地」という錯覚に陥ってしまいます。
六万騎山は、坂戸山とセットにして登るのが普通のようですね。
花の種類は坂戸山の方が多いのですが、どうも中越の山にはユキワリソウは自生していないらしですね。
これからはヒメサユリやオサバグサに逢いに出かけたい気持ちはあるのですが、先のことは分からない、というのが正直なところです。

投稿: 風花爺さん | 2016年4月20日 (水) 15時00分

雪割草にもイワウチワにも出会ったことのない私には
なんとも羨ましいロケーションです。

この週末はアカヤシオ、、とつい先ほどまで考えていましたが、方向転換して、またスミレの山へと気持ちが向かっています。

投稿: itta | 2016年4月21日 (木) 23時58分

itta様
新潟や会津地方などの豪雪地帯では雪解けが始まると裏山、里山でもいわゆる「春の妖精」(スプリング・エフェメラル)と愛称される花々が一斉に咲きます。
なかなか壮観です。
アカヤシオと言えば静岡の「岩岳山」は名所らしいですね。
写真でその見事さを知り、一度はと思っていたのですが、果たせずに終わりそうです。
スミレは・・・なにしろ種類が多すぎて頭の中がグチャグチャになってしまい、いつもGive Upしてしまいます。

投稿: 風花爺さん | 2016年4月22日 (金) 06時25分

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