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黒川鶏冠山~挫折感にさいなまれて後遺症も・・・

2016年3月23日

早や立ちなので前夜の飲み会をパスして、16日、久しぶりに中央道を西へ走った。
目的は「黒川鶏冠山」1710m。
一年先に会山行で採りあげるこことなった。
無雪期には数回登っているが、積雪期はないので、この時期の積雪状態を確認しておくことが目的である。
青梅街道の柳沢峠への道すがらからみる沿道の山々には先日の降雪がほどよく積もっているようで、快適な雪道歩きが堪能できる予感にあふれ、ウキウキ気分に浸っていた。
もちろんこの段階では、やがて見舞われる悪夢の予兆など、感じるはずもなかった。


Dscn5772 ~勝沼ぶどう郷の上に白根三山 

Dscn5778 ~青梅街道が柳沢峠に近づくと富士が見えてくる。

Dscn5779  柳沢峠の登山口
積雪は10cm足らずで、横手山峠までは傾斜が緩いので、アイゼンなしでもいいと思われるが、途中で履くのも面倒な気がしはなから装着。

Dscn5780 先行者がいれば有り難いのだが・・・どうやら靴跡は一人分だけで、踏まれた雪面にはなっていない。
積雪は深くないのに重い湿雪で、足への負荷は予想外にきつい。
ペースも早々にお話にならないほど上がらなくなった。
これくらいの雪道はいくらでも経験しているのに、どうしてなのか今日はやたらにきつい。

Dscn5781  ようやくこれは容易なことでないな、と思い至った時上から降りてくる単独の人と出会った。
当然に言葉を交わす。
”どちらまで?”と聞かれ、この段階では”鶏冠山へ”と答えた。
ところがその人から聞いたこの先の様子は、これまでの予測がいかに甘いかを突きつけられることとなった。
”六本木峠までいってみたが、雪が深く単独
ラッセルではその先へ進めないので戻ってきた”そうである。

この瞬間、私の「鶏冠山」への予定はあっけなくついえた。
ここまでの調子からいっても単独ラッセルで鶏冠山まで行けるはずはない。
とにかく六本木峠までは、と踏みだす足は重くなるばかり。
単独行が往復しているのだから幾らかは楽になるはずなのに、行程は辛くなるばかり。
”六本木峠までこんなに長かったかな?”と思うほどの長さを感じたすえ、どうにか峠に着いた。

柳沢峠からの標高差たったの140m、夏道標準タイム0:45に対し、何と1:55を要していた。


Dscn5783 峠から先は足首までの湿雪で、もちろん鶏冠山方向へも、大菩薩方向にもトレースはない。
ここから戻るのに何のためらいはないが、自分の不甲斐なさに情けない思いで胸がつぶされた。

失意の戻り道での自分の足取りは、先日観たばかりの映画「神々の山嶺」のラストシーン、岡田准一が演じた深町が生還の雪の斜面をヨレヨレになって下るものと重なってしまった。

翌日の全身疲労感、下肢の筋肉痛はこれまで経験したことのないもの。
続いて出て来た発熱、食欲不振、頭痛、悪寒、嘔吐感などで、ようやくあの疲れが単に体力低下だけではなかったようだと思い至った。
”風邪をひいていたのだ”~自覚症状はなかったのに・・・
それと気づいた時には、間の悪いことに三連休に入り医院は休診。
日中の大半をソファーに身を横たえ、TV画面をボンヤリ見ながらすごした。
連休は明け、熱は下がったが全体症状はあまり改善しない。
ふだんなら好きな食べ物が、それを見ただけで、あるいは匂いを感じただけでムカムカ感が喉をついてくる。

この5日間ほどはほとんど果物と水分しか喉を通らない。

今年は順調に滑りだせたと喜んでいた矢先に、またしても伏兵に足元を掬われてしまった。
年を取る、ということはこういうことなんだろう。

この間、パソコンに向き合う気力もすっかり萎えてしまった。
そのパソコンのことだが、Win10にアップデートしたものの、数日後には元の8・1に戻した。
良くなった点もないではなかっが、それ以上にむしろ改悪としか思えない点が随所に出てきてしまい(決定的なことは印刷が自分の操作では出来なくなってしまったこと・・・)慣れた8・1に戻すしかないと思えたからである。
私のようなケースは一部のユーザーだけの現象だろうが、開発者の意図が必ずしも全てのユーザーには届かない、ということなのだろう。

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コメント

よくご無事でお帰りになりました。
こういっては何ですが、私の経験でも風邪はだいぶ進んでいるのに早めに体の不調が察知できない、ということが高齢になるとままありますね。
出先で突然悪寒におそわれたり、食欲不振の意味が、熱が出てやっと原因がわかることもあります。

今回は単独行動のようですが、これを考えるとむしろ運がよかったと思わざるを得ませんね。
あの、深田久弥さんもごく普通の山で突然の体調不良のための遭難と聞きました。


やはり長年の経験が引き返すことを促したのでしょう。

いつもの健康を取り戻せますよう願っています。

投稿: おキヨ | 2016年3月23日 (水) 12時06分

おキヨ様
自分の体についてのセンサーの働きは加齢によって感度が低下するすることは間違いなくあるでしょうね。
昨夏の帯状疱疹発症の時も全く自覚ないまま山に登り、ひどい疲労感に襲われたときもそれでした。
それがだんだん嵩じていき、とどのつまりは自分が死んでいることにも気づかない、ということになるのでしょうね。
回復力も低下しているので、こうなると立て直すのも簡単にはいかないだろうと気弱になってしまいます。
深田さんは茅ヶ岳という山の山頂近くで脳出血を発症したのです。
前夜泊まった鉱泉宿で、いつもの気の合う山仲間と好きな酒をかなり飲んだようです。
死後、その時の同行者は一部の人から”深田を死なせた”と非難され辛い思いをしたそうです。

投稿: 風花爺さん | 2016年3月23日 (水) 16時28分

こんばんは。
大変な思いをされましたね、、
私もちょっと前にインフルエンザで寝込んでいました。
お陰で、体力もめっきりと落ち、先日の山の後はへろへろになってしまいました。
とにかく今は風邪を治すことが先決ですね。
花の綺麗な季節も迫っています。ご自愛ください。

投稿: itta | 2016年3月23日 (水) 22時22分

itta様
あの時はラッセル(めいたこと程度ですが・・・)だけでバテバテになってしまったのかと、すっかり滅入ってしまったのですが、風邪のせいだという言い訳がみつかっていくらかは救われています。
ittaさんの場合は病み上がりなのに、日帰りで赤岳を登ってしまうのですから、比べることすら愚かしいことです。
早くこの情けない状態から抜け出たいものですが、どうなることでしょうか。
山は逃げない・・・そこにすがりましょう。

投稿: 風花爺さん | 2016年3月24日 (木) 12時08分

風花さま~ 今晩は。

お体の方は如何でしょうか・・・
少しは楽になりましたか? どうぞお大事に・・・・
当方も近い将来、同じよう体調不良に見舞われて、撤退シーンが思い浮かびます。

今迄、山ではこれと云ったアクシデントはありませんが風花さまより
幾分若いだけの話で油断はできません。
年を取るとこういうこともあり得る教訓かと身に包まれます。

高速道から仰ぐ真白き白根三山素晴らしいですネ。

投稿: かおり | 2016年3月24日 (木) 21時48分

かおり様
私ごとでお心遣いいただきまことにありがとうございます。
わが身を客観的に観察すれば、こうした事態は起こるべくして当然に起こることですが、情けなくも思います。
お蔭様で発症してから一週間余経過し、ほぼ常態にもどりました。
山歩きの再開にはもうしばらかく様子をみなければならないでしょう。
そんなしまらない私に比べてかおりさんは3月の「荒島岳」という大きな獲物をゲットしましたね。
パチパチパチ・・・ですよ。
さて、日本中が桜でウキウキ気分になれる日々が目前になりましたね。
年々歳々花相似たり。歳々年々人同じからず・・・・とはいえ、今年もサクラを愛でることができるのはやはり嬉しいものですね。

投稿: 風花爺さん | 2016年3月25日 (金) 11時35分

風花さん、こんにちは

お気持ちは良くわかりますが、私の経験では和かんで林道歩きをした時、同じ様な気持になった事があります。 その上に風邪となれば、身体も休ませて欲しいとのシグナルでしょうね。? 私とて風邪もひかないのに、今年は何故か山に足が向きません。昨年の打撲ヶ所に未だ痺れがある事も要因かな?等と思ってはいますが、この戦意喪失感は冷静に考えると「ズボラ」そのものと思います。

投稿: 岳 | 2016年3月26日 (土) 16時58分

岳様
加齢はいろいろな点で反応を鈍らせるようですが、風邪の症状もその一つとは・・・
状態はおおむね常のものに戻りましたが、体の力は抜けたままです。
思ったよりダメージが大きくて、体を動かそうという気力が萎えたままなのです。
これは岳さんが仰るように「戦意喪失」で、気力の問題なんでしょう、たしかにサボル気分がないではありませんね。
気温があがってくれば気持ちのありようも変わってくるかも知れないので、時期を待ちます。

投稿: 風花爺さん | 2016年3月27日 (日) 09時18分

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