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もう使うことのないパスポート

2016年3月30日

先日、オバマさんが現職の大統領として88年ぶりにキューバを訪ねた。
昨年7月、54年ぶりに国交を回復してさっそくの訪問である。
1962年、あわや米ソの核戦争勃発か?と世界中を震撼させた一触即発の「キューバ危機」も今や遠い日の回想になった。
隣り合う両国が仲良しになることは世界平和の前進のために望ましいことだ。
とはいえ、今この瞬間でも起きている中東を中心にした、血で血を洗う報復の連鎖は収束の気配すらない。
この報復は千年以上も前の十字軍の遠征にさかのぼるから長い、長い因縁がある。
オバマ大統領のキューバ入りの画面を見ながら、米国大統領でも入国の時はパスポートを提示するのだろうか?などと愚にもつかないことを思ったりした。

そのことからしばらく出番のない自分のパスポートはどうなっているのかな?と気になった。
大分長いこと使わないままになっているが・・・

Img006
確かめてみたらこの4月に期限切れになることが分かった。
それに気付かないほど長いことパスポートを使う必要がないままに過ぎているのだ。

このパスポートのおかげで叶えられたたくさんの夢があった。
パスポートがあっても憧れのままに終わったもっと多くの夢も、またあった。

Photo 七十歳を迎えたとき、生涯の節目を刻むつもりで富士山より高い山へ登ろうと思い立った。
そして中国の太姑娘山(タークーニャンシャン)5025mに登った。
翌年、もう少し高度を上げネパールのゴーキョーピーク5380mに登った。
この時、高山病にかかり、以後これ以上の高度は断念したため、これが生涯最高所で終わった。

Img200 ニュージーランドではマウント・クックの中腹の氷河までプロペラ機で飛んだ。
ニュージーランドという国は、自然から居場所を分け与えられていることを自覚している人々が、慎ましやかに自然の片隅で暮らしていることが感じられる美しい国だった。

Img199 これは東欧の国を巡った時のドナウ河のクルーズ。
背景にハンガリーの国会議事堂が写っている。
ソ連のくびきから解放されたばかりの東欧諸国は決して豊かではなかったが、どこでも中世の面影が留められ至るところに歴史の襞(ひだ)が刻まれていた。

オーストリアのツアーでは、丁度今の私くらいの年齢のOさんと親しくなり、連れだって歩いた。
ハプスブルグ家への深い敬愛を抱いていて、その博識ぶりにはただただ驚くばかりだった。
そのOさんのことを思えば私だってまだ余地は残されている気がしないでもないが、もういいだろう。

パスポートは多分更新することなくこれっきりになるだろう。
こうして不要になるものを一つづつ捨てていく、それが人生の終盤にさしかかったものの心がけというものだろう。

給湯ボイラーが凍結で破損したため、ほぼ2ヶ月ぶりに山荘へきた。
雪はまったくなくて、主がいなくても季節になれば律儀に花は開く。

Dscn5813 クリスマスローズは風情に乏しく、あまり好きではないが、繁殖力が旺盛でやたらにはびこる。

Dscn5814 これが一番早起きのカタクリだが、全開はもう数日後になるだろう。
「もののふの 八十をとめらが くみまがふ
           寺井の上の かたかごの花」 大伴家持


Dscn5815 無秩序に植え込んだクロッカスはあちこち思いがけない場所に散らばって咲いている。

Dscn5816 水仙はこれから・・・。

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コメント

風花さん、こんばんは

収拾の付かない世界規模の争いは、これからも続くのではないか? わたしはそう思っています。「ラビ・バトラの大予言」を読んだのは1979年ですので、既に30年以上前の事ですが、その後の共産主義の崩壊から、イラク戦争、ブラックマンデー、株価暴落などの予測を的中しています。特にショックだったのは銀行の破たん。これをも予測していました。宗教の違いは戦争を止める事は無いと思っています。 北朝鮮は別格ですが・・・

投稿: 岳 | 2016年3月30日 (水) 20時20分

岳様
人はホモサピエンスになって以来、争いや戦いを絶えずに繰り返しているそうです。
知ではあらゆる生物の頂点に立ったのに、情の世界では動物と違わない行為を繰り返しているのですね。
『ラビ・バトラの大予言』という本のことは知りませんでした。
未来予測の一つに、人工知能が人間を支配するようになる、というのがありますが、そうなったら戦争は止むでしょうか?
それとももっと高度な知的戦争になるのでしょうか?
いずれにしてもそうなる前に私はこの世から消えていますが・・・。

投稿: 風花爺さん | 2016年3月31日 (木) 06時45分

世界の山に挑んだ証となるパスポートもいつかは無用となるのですね。でもまだお早いのでは?更新されておけば、登山以外の海外旅行をご夫妻で楽しむこともあると思うのですが。

近頃、カストロ議長をの姿をニュースで知ることとなり、60年代当時の大柄で精悍な姿を思い出すにつけ月日はたつものだなと感じました。

今年の赤城山は比較的降雪が多かったのではないでしょうか?何度か薄雪の赤城を描きに行きましたが、これがとんでもなく難しい山と知ることになりました。

投稿: おキヨ | 2016年3月31日 (木) 12時23分

おキヨ様
海外へ出かけるのは一言でいってシンドクなってきたことですね。
重いスーツケースをガラガラ引き擦り、強行日程に追いまくられれる体力勝負にはもう体がついていけなくなっています。
十分とは言えませんが、そこそこには出かけていると思いますので、もういいかな、というところですね。
カストロ、チェ・ゲバラ・・・キューバ革命では伝説的な革命児がいましたね。
日本の明治維新に重なります。
今、赤城山は南から見ると雪があるようにはみえませんね。
これを北側から見るとかなり白く見え、まだかなりの積雪があると思えます。
赤城山が描くには難しい、という点が私などには理解が至らないところですね。

投稿: 風花爺さん | 2016年3月31日 (木) 17時44分

すごいところに登られているのですね!!
写真を見て驚きました。。

旅行はまだ20代の頃、夢中になってしていましたが、今になって思うと、平和な時期に行っておいて本当によかったです、、今は混沌とし過ぎていて怖くて行く気になれません。

民主化直後の東欧は物価が安く、旅行に最適でしたね(笑)ビール一杯が20円とか。。

投稿: itta | 2016年4月 5日 (火) 18時15分

itta様
ネパールや中国の山は見ようによっては日本の山に登るより楽だと言えます。
荷物の運搬や、食事の用意は全てポーターがやってくれます。
高度馴化さえ間違えなければほとんど誰でも登れる、といってもいいように思います。
確かに今はパキスタンやネパールには政情不安定なところがあって、行かないことが賢明なんでしょうね。
東欧ハビールが美味しいという定評がありますが、あまり印象は残っていません。
ただ、ハンガリーで至るところで甘い「トカイ」の貴腐ワインを飲まされたことを覚えています。

投稿: 風花爺さん | 2016年4月 5日 (火) 21時02分

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