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季節のアンソロジー ~七月

2015年7月4日

語るに落ちた、とはこのことか。
安倍さんのまとう衣の下の鎧がまたしてもチラリと見えた。
安倍応援団の内輪の集まりとはいえ、そこでの発言は大戦前の青年将校さながらで、開いた口が塞がらないものだった。
言論や報道の自由が次第に逼塞し、その結果、日本を含む東南アジアで膨大な数の死者をだしたあの大戦について全く学習していないかの彼ら未熟な政治家(とは言えないしろものだが・・・)の暴言を許しているのは他ならない、安倍首相なのである。
国会で、その時代錯誤振りを追求され、謝罪を迫られながらも、初めは自分が言ったことではないから、と木で鼻をくくるような対応をしていた。
おそらく、心のどこかにそれを許容するものがあるのだろう。
時間の経過とともに世論が厳しくなって初めて、慌てて神妙に謝罪するポーズを見せるようになった。
でもね、この謝罪は本心からのものではなく、単に世論を交わす方便に過ぎないことはこれまでの言動で分かる。

そもそもこの政権の本質は「問答無用」である。
”言いたい奴には言わせておけ! 最後は圧倒的多数でオレが思うように決めるんだから・・・”
一つの典型例が、普天間の移設問題について決まり文句のように使っていた
「粛々と進める」(問答無用とほとんど同義語)というセリフがある。

翁長沖縄県知事に「上から目線だ」とたしなめられて用いなくなっているが、それはうわべだけで、普天間移設などの諸課題はとにかく力業で押しまくる、という本質は変わっていない。
あまりにも難解なロジックで構成されているため、国民の大多数が理解できない「安保法制」も、機械的に審議時間が積み上がったら、最後には60日ルールを発動させても通す腹であることは見え透いている。
憲法違反であることが多くの有識者から指摘されていて、違反の可能性が極めて高いにもかかわらず、一内閣の閣議決定で、これまで持ってはいるが、憲法上行使できないとしてきた「集団安全保障」を、限定的とはいえ行使できることとしようとする、この暴走路線を突っ走るつもりであろう。

なんとも季節の話題にふさわしくないイントロになってしまったが、切々と胸を打たれるシーンもあった。
「なでしこ」がこれまで勝てなかったイングランド戦で辛勝し、宿敵米国との決勝戦に臨めることになったのは私も嬉しい。
でも手放しで喜べない。
ゲームが終わったピッチにいつまで泣き崩れているイングランドの選手がいた。

A
彼女・バセットのオウンゴールが日本に勝利をプレゼントしてくれた。
もちろん彼女自身にはまったく責めを負うものはない。
勝負の世界ではしばしば起こる、神のたちの悪い悪戯、気まぐれの仕業である。
でも痛々しくて、残酷で、その心情を思えば見ているほうも辛くなる。
ツイッターなどで”顔をあげてくれ!”という励ましの書き込みがたくさんあるそうだ。
私も、その辛さに耐えてどうか笑顔で帰国して欲しい、そんなエールを送った。

大急ぎで本題に入ろう。

半夏生(はんげしょう) ~雑節の一つで、夏至から数えて10日目なの今年は7月2日であった。
その頃に咲くので「ハンゲショウ」(半夏生)と名づけられた花がある。

A_7 葉の半分ほどが白くなるので、半化粧とも・・・。

水無月(みなづき)は6月だが、旧暦では7月になる。
いずれにしても梅雨時なのに「水が無い月」とは・・・?
この場合の「無」は「神無月」と同じで「の」の意味だそうである。
「水が無い月」ではなく、「水の月」となる。
はてさて日本人にとっても日本語はことのほか難しい。

7月14日はフランスの革命記念日。
自由・平等・友愛を掲げた民衆運動が、1789年、バスティーユ牢獄襲撃にとなった日で、この運動でフランスに共和制が生まれた。

A_2 「民衆を導く自由の女神」 ~ドラクロワ
この革命のさなかにフランス王妃だった
マリー・アントワネットが「パンがなければケーキを食べればいい」と言って民衆の反感を増長させたとあるが、これは史実ではないようだ。
そうではあっても浪費の限りをつくした驕慢な王妃は1793年10月、38歳で断頭台の露と消えた。

この革命記念日(日本ではパリ祭という)を挟んだ時期の、アナベラ演ずる花売り娘とタクシー運転手の恋物語がルネ・クレール監督作品、邦題での「巴里祭」
A_3
日本ではこの邦題で独立記念日を「パリ祭」と呼ぶ慣わしになったが、これは日本だけでしか通用しないようだ。
ふたりのすれ違う恋を描き古きよき時代の郷愁を呼び覚ます。
とはいえ、私にとってのパリはたった一夜を過ごしただけのゆきずりの街でしかないのだが・・・。

「星合いの空」とは七夕のこと。

A
梅雨空が続くこの次期になぜ星に願いをかける「七夕」という行事があるのか?
いうまでもなくこれも陰暦と新暦のタイムラグのせいである。
旧暦の七夕は今の暦なら8月中旬だから夜空が晴れている確率は高い。
織姫と彦星のデートなど毎夜しているわけだから、二人は別に雨夜でも構わないのだが、短冊に願いを込める幼い子らのためにはやはり晴れた夜空になって欲しいが、予報では厳しい。

20日は海の記念日
海洋国家の日本には海を主題にした歌がたくさん生まれている。
♪海は広いな大きいな・・・♪ ♪我は海の子白波の・・・♪ ♪松原遠く消ゆるところ・・・♪
海なし県の内陸で育った少年時代の私には、海は歌でしか知らない想像を超える世界のことであった。

A_6

歌謡曲の世界では、美空ひばりの「港町十三番地」を初め「誰もいない海」「海岸通り」「岬めぐり」そして加山雄三の「海~その愛」などなど枚挙に暇がない。
対して「山は海の母」という言葉があるくらい深い関係のある山には祝う日がなかったが、いよいよ来年の8月11日から「山の記念日」がスタートする。
認知度はまだまだ低いが、これを契機として山が海に劣らない地位を占められるようになってほしい。

土用のうなぎ~土用(7月20日~8月6日の間)の丑の日にウナギを食べる習慣はいつころのものか。
万葉集に大伴家持が痩せた石麻呂をからかって
石麻呂に吾物申す夏瘠せに よしと言ふ物ぞむなぎ取りめせ」
の一首をおくっている。
「むなぎ」はうなぎのことだが、江戸時代に平賀源内がうなぎの宣伝のため「夏バテにはうなぎを」というCMをつくる遥か以前の万葉時代にもうなぎの滋養効果は知られていたらしい。
漁獲量の減少にともない、鰻のぼりの言葉そのままに、もともと高かった鰻が、遥か手の届かない高いところにいってしまった。

A_4
注文してから30分は待たされる築地の「宮川本舗」のうな重にせめてもう一度お目にかかりたいものである。

気象の世界にネジバナ(モジズリ)がテッペンまで咲くと梅雨があける・・・という言葉があるそうだ。

A_5
わが草の庵に自生しているネジバナもそろそろ花頂に達する。
梅雨入りしたと見られる、とされてからそろそろ一月。
このところのジメジメ続きにうんざりしているので、梅雨明けが待ち遠しい。

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コメント

なでしこ、イングランド戦、オウンゴールが無かったらどうだったでしょうか。
日本選手がゴールの前に2人いたのだからゴールできたのでは?とおもいますが。
いずれにしてもスポーツの勝敗は残酷な面がありますね。

投稿: おキヨ | 2015年7月 4日 (土) 11時59分

おキヨ様
私はサッカーのことは、そこらの俄かファンと同じで詳しくないのです。
ただ、川澄選手がロングパスを出した時、相手のゴールに向いて二人ゴール前にいたので、バセット選手のクリアがなければどちらかがシュートを打てたでしょうね。
でもそのシュートがネットを揺らすことができたかどうかは・・・
私ごときにはとても分かることではありません。
この上はアメリカチームとの決勝戦を楽しみに待ちましょう。

投稿: 風花爺さん | 2015年7月 4日 (土) 16時18分

あれよあれよとまごまごしている内に、6月のまとめもままならない内に7月になり、時間の流れに取り残されそうになっています。

半夏雨 酒に氷を 入れる午後

全く意味不明です。山に行けないので、昼から酒に氷を浮かべている自堕落です。

投稿: noritan | 2015年7月 4日 (土) 19時18分

noritan様
オヤオヤ、昼から日本酒のオン・ザ・ロックですか。
でもそのお気持ち、下戸のわたしでもよく分かる気がします。
いかに梅雨といえども、こう来る日も来る日も雨模様では身動きなりませんからね。
私もヒメサユリやオサバグサに会いにいくプランが宙に浮いたままで、恐らく忌々しい梅雨に流されてしまうでしょう。
夜と同じに、明けない梅雨はないでしょうから、辛抱強く青空が戻ってくるのを待ちましょう。

投稿: 風花爺さん | 2015年7月 4日 (土) 20時43分

風花さん、こんにちは

全く同感! 社会も会社も、お詫びの仕方も知らない二世議員が増え、最悪はやりたい放題、秘密保護や集団的自衛権、企業へのベア要求など。お隣の金平さんといい勝負ですか? 葉の半分が白くなる半夏生、マタタビも遠目で分かるほど葉が白くなりますね。こちらではタチアオイが幹の先まで花を付けると梅雨明すると言われますが、既に先まで届きそうです。予報では梅雨明けは遅いといいますが…

投稿: | 2015年7月 5日 (日) 13時16分

岳様
その任に値しないあまりにもお粗末な国会議員を選んだのも、政権交代の緊張感のない政治状況を生んだのも、元を正せば私たち有権者がそうしたのですね。
日本の政治を良くするのも悪くするのも、有権者の意識レベルなんですが、これも百年河清を俟つようなもので、もう諦めの心境です。
そうですね、マタタビも半白でしたね。
それに、おっしゃるとおりタチアオイについても、モジズルと同じようなことが気象関係者の間では言われているそうですね。
梅雨明けは遅そうですが、今とても気が揉めています。

投稿: 風花爺さん | 2015年7月 5日 (日) 15時30分

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