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怪我の功名で ~栗原山から南小太郎山

2015年5月2日

まだまだ、人より熊に遭う可能性が高い?山歩きが続きます。
今日(4月29日)は
「南小太郎山」1410mです。
群馬県の南西の隅っこのほう、神流町と上野村の境で、恐竜センターのほぼ真北4kmほどに位置しています。
地理院地形図「神ヶ原」には載っているのですから、一応イッチョウマエの山ともいえるはずなのですが、寂峰みたいなのです。
すぐ傍らを今、神流町が力を入れている「かんなマウンテン&ウォーク」のコースが通っているのですが、参加者は知らずに通過しているだけですから、静けさには変わりがないようです。

南小太郎山のほぼ南に「持倉越」という峠があります。
かつては神流川流域と天空の里「持倉」を結ぶ生活道が通っていたのでしょうが、今は当然ながら廃道です。
その名残りを探ってみたい、ということと、出遅れてしまったヤシオツツジとの再会ができるかな、と云う期待とで、持倉越から南小太郎山へ辿ることが今日の狙いです。

峠越えのルートはもはや昭文社地図にも、地理院地形図からも消えています。
ネットの記録でも正確にルートを把握できないままに歩いているようで、迷う記録も多く概念の把握を難しくしています。
私には昨秋に出版された『西上州の山』が唯一参考になりました。
そのガイドでも迷う可能性が高いように書いてあります。
結局、私も詰めで迷い、とんでもないコース採りをしてしまいましたが、怪我の功名で予定していなかった山頂を踏むことができ、結果オーライということになりました。

スタートはR299から「七久保・橋倉林道」に右折で入り「瓔珞(ようらく)橋の袂になります。
ちなみに「瓔珞」とは佛用の装身具ですが、神流、多野地方などではアカヤシオ(ヒトツバナ)のことを言うそうです。

Static 今日のコース。
青の点線は電池切れで記録できなかった下山コースです

Dscn4367  途中の第3展望台から八ヶ岳の遠望
コースの途中、5箇所の展望台があるのですが、第3に立ち寄り。
ロープにすがって登った岩峰からは150度くらいに開けた展望がありました。

Dscn4368_2 私のお気に入りの赤岩尾根のあたりを眺めるのも久し振りです。
ここは「夜叉の瓔珞」というアカヤシオの展望台になっているようですが、どこを見渡してもヤシオのピンクが見当たりません。
例年なら今日あたりが最盛期なのですが、今年は伝えられているようにかなり花期が早かったのですね。
おまけにどうやら裏年らしいのです。
持倉越への道は次第に道型が怪しくなってきます。

Dscn4374 境沢の谷は早くもブナの新緑で埋められています。

ルートは路肩が脆く今にも崩れそうなトラバースをしたり、涸沢で消失したりしながらそれでも確実に「持倉越」に接近していきます。
頭上直ぐそこに持倉越と思われる鞍部が見えています。
そのあたりでルートが消失状態になりました。
ここまで幾つもおかしな道標があったのですが、その最後のものを過ぎ、褪せた赤テープを見たのが最後で、目印になるものは無くなり、道型も消えてしまいました。
鞍部に乗り上げるには樹木の無いザラザラの急斜面を登らなくてはなりません。
足を滑らしたら止めようがないように見えます。
鞍部に詰めあがる谷の左右はとても登れません。
暫く周囲を観察していると右(南)の方へトラバースしていく踏み跡らしいのが見つかりました。
覚束ない踏み跡らしいのを拾っていくと涸沢に入ってしまいました。

~ネットで拾ったレポでもこれに誘い込まれた、というのがありました
。どうやら迷う込む人がいるために薄いトレースができてしまったようです。

Dscn4375      Dscn4376      Dscn4377
これらの写真は大きく右手方向にコースアウトして、修正のためUターンすることとなった迷走した一齣です。

Dscn4378 ようやく南西に走る尾根に乗ると辛うじて残りのヤシオに出会えました。

Dscn4379 一つのピークに出たら・・・そこに思いもかけなかった山名標識がありました。
なんと、なんと「栗原山」と書かれているのです!
エ~ここに出たんだ~・・・
以前、この南にある「サスノ峰」に登り、栗原山まで足を延ばしたかったのですが、非常に危険なルートであるために断念しています。
こんなことがあるんだ! 自分の位置が明らかになりました。

Dscn4382 急な下りで「持倉越」と思われるコルに到着。
ここにくるのに1時間は余計にかかりました。
今日はスンナリと歩ける目算だったのに、けっこうバリエーションをやらされて、やはり西上州の山は素直さに欠けていますね。
私が少々、勝手に描いたロマンなど欠片ほどもない、素っ気無い峠でした。

Photo 樹木に噛み付かれてしまったプレート。
いつもながらプアーな昼食を摂りながら思案しました。
どこでどう間違ったのか検証するためにここから出発点に下降してみるか、それとも予定通り南小太郎山までいくか・・・
ザックを背負ってから爪先が向いたのは南小太郎さんでした

Dscn4385 北へ向かうと西の展望が得られるピークに着きました。
境沢ノ頭という名で呼ぶ向きもあるようです。
さっき越えてきた栗原山が目の前です。

Dscn4391 いったん大栂尾根に迂回し、予定より1時間遅れて南小太郎山に到着。
いうまでもなく道迷いによるタイムロスです。

Dscn4390 熊には出会わなかったのですが、驚いたことに山頂に先客がいました。
私より後に瓔珞橋に着いてトレランルートを登ってきたそうです。
私とどこかで交差するかと予想していたようで、意外な成り行きで驚いたそうです。
私の迷走のため想定外の出合になりました。

Dscn4393 山頂から北へ2分ほど下ると下山道とする「かんなマウンテンラン&ウォーク」との合流点。
神流町が振興策の一としているトレランルートになっているので、歩きやすい山道になっています。

 

今日はルーファー(ルートファインディング)の必要はないものと考えていたが、やってしまいました。
まだまだ未熟だな・・・
もうバリエーションはやめて、道のある山だけにしようかな・・・。
いやいやもう少しやれるんじゃないかい・・・
そんな思いが交錯する帰り道でした。

Dscn4396 万場では名物のイベント、神流川に架ける鯉のぼりが爽やかな風に翩翻(へんぽん)と翻っていました。
そう、里は今爛漫の春、それも黄金週間の始まりでした。

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コメント

万場方面には墜落事故後は行っていませんので、
最後の写真の神流川の鯉のぼりが懐かしいですね。

八ヶ岳にはまだ雪が残っているようですね。
残雪があるうちに野辺山辺りを徘徊してみたいです。

投稿: おキヨ | 2015年5月 2日 (土) 12時53分

おキヨ様
万場の「鯉のぼり祭り」はけっこう人が出るイベントらしいですね。
神流川の河原の駐車場は料金500円でした。
八ヶ岳はもともと雪が少ない山なので、見た目での残雪が消えるのは早いのではないでしょうか。
離れた場所からは分からないのですが、森林の中には遅くまで雪が残っているのですが・・・。

投稿: 風花爺さん | 2015年5月 2日 (土) 16時01分

風花さん、こんばんは

玄人好みのルートですが、里山には間違えて10m進んだら戻れない! そんな登山道を歩いた事がありました。 山それぞれの魅力も、難易度も、沢山の人が訪れるアルプスに比較すれば、数段の厳しさもあると思います。未だにバリエーションルートには足が向かない臆病者です。

投稿: 岳 | 2015年5月 2日 (土) 20時31分

岳様
登山の楽しみ方は実に多様ですね。
どのような楽しみ方をするかは、人それぞれの好みになりますね。
私がしているバリエーション歩きなどはごく初歩的なものです。
まかり間違っても、1時間も迷走すればたいてい何とかなる、とう範囲でやっています。
そんなレベルのことでも終えたときにはささやかな達成感は味わえます。
自分だけのものですが・・・
ネットの世界で見ると、私など足元にも及ばないマニアックなバリエーション歩きをやっている方も多く、アマノジャクはいつの時代にも存在しているのですね。

投稿: 風花爺さん | 2015年5月 3日 (日) 05時57分

アカヤシオは不発だったようですね。
私も今年は諦めてシロヤシオの時期を待ちたいと思います。
山は怖いですね、、「まだ戻れる」「まだ戻れる」と迷ったときに
戻れるか確認しながら歩くのが癖になっています。。
とはいえ、未熟者ですのである程度の山には、GPS無しでは
入れない弱虫です。。

投稿: itta | 2015年5月 3日 (日) 21時09分

itta様
北関東、とりわけ西上州と呼ばれる山域でのアカヤシオはどこも開花状況が悪かったようです。
いわゆる「裏年」というやつでしょうか。
静岡でのヤシオの山というと岩岳山しか知りませんが、他でも見られるのですか?
ittaさんのタフな山行に比べると、私の山歩きなどすべてハイキングレベルですが、常に「退路」のことを念頭におくことはとても重要な心の備えだろうと同感です。
私はGPSはガーミンのような本格的なものではなく、スマホですが、それでも地形図とコンパスの組み合わせよりは簡便で、そこそこの効果は得られています。
電池の消耗が早いのが泣き所です。

投稿: 風花爺さん | 2015年5月 4日 (月) 06時07分

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