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「こげえな山」って、どげえな山?

2015年4月14

山の名前には、東にあるから「東山」とか、形が丸いから「丸山」などと、即物的で実に分かりやすいものが多い。
反面、なぜそんな名前がついたのか、どんな意味があるのか皆目見当がつかないものも少なくない。

今日(11日)歩いた「こげえな山」1131mもそうした山名の一つ。
この奇妙な名は地元での呼び名だそうだが、おそらく地元でも名前の由来は分からなくなっているのではなかろうか。

これを「古界名山」としているものが見られるが、多分無理矢理に当て字したものであろう。
私は賛成できない。
「こげえな」という何となく分かるような気がする、ローカル色豊かで、ユーモラスなこの名前をそのまま使えば用は足りる。
それをムリムリ漢字を当てて、かえって余計に訳の分からないものにするのは,地域文化を冒涜することになりかねず、軽々しく行うべきではないと思う・・・ナ~ンチャッテ

まずどこにあるかの説明から始めなければならない。
JR吾妻線の中之条駅から四万温泉へ向かい、途中で沢渡温泉経由で暮坂峠道へ行く道に左折する。
沢渡温泉を過ぎると左手に特異な山容の「有笠山」を見るが、それと向かい合うように右手に見える山がこのたびの主役「こげえな山」である。

国土地理院2・5万分の1図では「小雨」
有笠山の西北へ約1・8km離れた独立標高点1131mがこげえな山となる。

Dscn4245 左のドーム状が有笠山で、右に向かい合う三角がこげえな山 ~暮坂峠道で。

菜種梅雨状態で長いこと鬱陶しい曇天続きだったが、今朝は久々にスッキリと青空が広がった。

Dscn4244 谷川岳の姿を見るのもしばらくぶりである。
例年ならこの時期に登っているのだが、今年は天候も祟って眺めるだけになっている。

Dscn4247 沢渡温泉を通過し、「老人健康村」の看板で右折し閉鎖中の「美ら寿(ビラージュ)」の入口手前の路側に駐車。
ここがスタート地点になる。
とりあえず向かう「仙人窟」への遊歩道を歩き始めようとしてアレ!地図は???
ザックにも車内にも無い。
忘れた・・・何と云う失態。
初めての、それも登山ルートの無い山に地図ナシで入るのは無謀と言われても返す言葉がない。
こうなればスマホが頼りだ。
それに、ネットで「群馬山岳移動通信」の記録を何度も読み返し、地図もシッカリ頭にインプットしてある、と自分を納得させる。

Dscn4246 そこには珍しくキブシの木がたくさん植えられている。

Dscn4277 遊歩道を行くと東屋もある。

Dscn4251 目の前に「こげえな山」 ~こちらを向いた面は中腹が岩でガードされているので登れそうにない。
画面からは切れている右手の方から迂回し、右の尾根を辿るようである。

Dscn4275 遊歩道の終点は小さな峠になっている。
この界隈での一応の観光スポットであるらしい「仙人窟」と「仙人滝」への文字の薄れた道標。

さて、どこから取り付く?
頭に入れている地図では、確か西からここへ延びてくるミヤコザサの尾根が登路になっていた。

 

Dscn4251
目を凝らすと笹の波に微かながら、足で踏んだ分け目があるように見えるので、ここから入ってみることとした。
そのとき一匹の生き物がやってきた。
”スワ送り狼か?まさか・・・・。
首輪がついているから飼い犬だろう。
飼い主があとからくるのだろうか。
私が笹の中に突入すると、彼も笹に体を埋めながらもついてくる。
帰るように手を振ったら素直に戻っていった。
傾斜をグッと増した斜面を乗り上げると大きな岩の東の付け根に出た。
もちろん直登は無理でネット記事の通り一旦北側の谷に回りこみ、付けに沿って急斜面を斜上し、岩の後ろに続く尾根に出る。

Dscn4252 巻き終わって大岩を振り返る。
尾根に乗り、踏み跡らしいのを拾いながら高度を上げていくが、こんな急な尾根は下りたくないな・・・。
そう思いながら、多分より楽に下れそうな右下の谷を観察する。
谷の中に棚はないだろうか、谷へ降りる急斜面が降りられるか・・・
何本かのルートを選定し、その下降点を記憶する。
再び大きな岩に突き当たった。
ここは直ぐ目の前に近づいた、1210m三角点峰から南のこげえな山に連なる主稜線に向かって左下をラバースする。
尾根をこげえな山に向かって進むと笹原になる。

Dscn4253 幅のある笹尾根なので帰りのためテープを着ける。
ルートらしいのも判然としないが、尾根を外さずに進むのが鉄則。
その尾根の幅が広がると迷いやすくなる。

Dscn4254 左手、木立の間に雪山が見えてきたが何山か不明。
~後になって仙ノ倉山と判明する。

階段状に短い急登が繰り返され、視界が開けてくるのに励まされて山頂の一角に出た。
ご褒美の展望が展開していた。
眼福の楽しみは後回しにしてさらに南へ続く尾根を進むと、こげえな山の南端に着いた。
怖くて覗きこめないが断崖の上である。

Dscn4262 山名がかかれているはずだったプレートが三枚地表に落ちていた。
文字が判読できるものを再び取り付けてみたがここに留まっていられるのは束の間のことだろう。
展望台に戻って、雪山をメインディッシュにして、昨日、義妹が持参してくれたお握りを口にした。

Dscn4268 左端の平標山から仙ノ倉山、中程の万太郎山、右端の谷川岳と続く谷川連峰 ~こんなショボイ山なので展望は期待していなかったので、意表を衝かれる嬉しい誤算になった。

Dscn4269_2 谷川岳のアップ ~肩の雪田もよく分かる。

Dscn4271 名は体を現す~文字通りに白い「白砂山」
日曜日なのに人の気配が絶えたままの山頂で、こんな景色を独り占めしている。
贅沢の極みであるが、山歩きに興味がなければ、ばかばかしい沙汰だろう。

Dscn4263 こちらもまだ十分に白い浅間山

Dscn4266_2 谷を隔てて西隣の「大岩山」 ~大絶壁ですな~

Dscn4267 眼下には暮坂峠道沿いの大岩集落 ~アルプスの谷を思わせる。

いい時間を過ごして山頂を背にした。
登るときと、下る時のあたりの見え方がまったく別物になることがある。
その意味で、今日はテープで安心できる。
気にしていた尾根の急降下を避けて、考えていたように北の谷に降りた。
少々厄介な下降だったが、谷に入れば楽勝。
落ちているところは簡単に左岸に逃げられる。
そうこうするうちに、古い朽廃した作業道になり一段と歩きが楽になった。
これを辿ると谷から次第に離れるので、再び右の谷に下り、大岩の基部を回って往路に戻った。
遊歩道に降りるともう犬の姿はなかった。
『仙人窟」に立ち寄り、山を抜けた。

Static 今日の行程 ~盲腸のように突き出ているのは「仙人窟」に立ち寄った軌跡。

小さいながら、久し振りにバリエーションルートを歩いた。
一部、自分の判断でルートを選んでみた。
多分、それは正しい選択だったと思う。
このところ誰でも知っている山歩きが続いていて
、自分らしさがない、と不完全燃焼気味だったのが少し解消されたような気がしている。
”オレが行く道はやはりこの道しかない!”などと嘯(うそぶ)くと、どこかの国の首相の決めゼリフと同じになってしまうが・・・。

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登山」カテゴリの記事

コメント

暮坂峠への道を通ったのはもう3年ほど前だったでしょうか。
その時にお聞きした沢渡温泉付近のお蕎麦屋さんを思い出したりして。。。
有笠山はラフスケッチを何度かしていますのですぐにわかりましたが、こげぇな山も次回通ったならおかげさまで判るかもしれません。
ユーモラスな名前ですが、字で書くと〔古界名山〕なんですね。
もしかしてこげぇな山が先で漢字は後からつけた?^^
高い場所に登ればこんなに素晴らしい展望が望めるとは
驚きです。

投稿: おキヨ | 2015年4月14日 (火) 12時11分

風花さん、こんにちは

そげえな名前の山があったのですね! 四万温泉の田村と言う旅館の料理、これが大変美味しいそうで、こちらから毎月の様にツアーバスが出ています。やはり稜線からの展望は嬉しいですね! 誰もいない山、更にはバリエーションルートと風花さんのヤンチャ精神は筋金入ですね。

投稿: 岳 | 2015年4月14日 (火) 13時51分

おキヨ様
このあたりの道筋はお馴染みですよね。
今度走行する機会があったらお目に留めてみてください。
有笠山のような個性的な山容ではありませんが・・・。
「古界名山」はおそらく誰かが当て字をしたのでしょうが、かえって「こげえな山」という土着の名前が持つユーモラスな味わいを損ねたばかりでなく、ますます意味不明なものにしてしまいました。
このような例の典型は北海道の地名で、アイヌ文化によるもともとの名前にムリムリ漢字をあてたため、文字からは本来の意味が全く伝わらないものになっています。
一つの文化にたいする大変な冒涜を明治政府は犯したのではないかと思います。

投稿: 風花爺さん | 2015年4月14日 (火) 17時01分

岳様
四万温泉の「田村館」は「積善館」と並ぶ老舗の宿で、私らでは少々敷居が高いですね。
あまたの名温泉のある長野からでもお出かけになるのですか。
アルプスに比べると、上越の山は標高で千mほど低いのですが、残雪期ではなかなか見応えする景観を見せてくれます。
バリルートは登山道が整備されている山と違い、心身にかかる負担は大きくなりますが、首尾よくゴールできた時の自己満足感は他の方法では得られませんね。

投稿: 風花爺さん | 2015年4月14日 (火) 17時13分

こんばんは。

いやはや、名もさることながら、あの笹の急登!!
すごいところを登られましたね。。

いろんな山があって、いろんな楽しさがありますが、
誰もいない藪山からの絶景、、これはまた格別ですね!
こげえな山、印象に残る山行記録でした。

投稿: itta | 2015年4月14日 (火) 21時07分

1tta様
ここらの笹はミヤコザサなので丈が低く、密生はしていますが、藪漕ぎの必要はありませんでした。
ittaさんの大谷崩れとは比較になりません。
このところバリルートと疎遠になっていたのですが、また病気がぶり返しそうです。
道標が完備している山道を歩くだけでは得られない達成感のようなものが味わえますね。
ただの自己満足に過ぎませんが・・・。

投稿: 風花爺さん | 2015年4月15日 (水) 06時35分

名前が面白い、形が奇異と言った山には心惹かれますね。
最近週末群馬通いが続いていますので、いつか行ってみたいです。
「スマホが頼り」の使い方をお聞きしたい(笑)
スマホに替えたは良いのですが地図のアプリを使いこなせない、情けない「スマホ音痴」「地図の読めない女」です。

投稿: noritan | 2015年4月16日 (木) 06時15分

noritan様
スマホのGPS機能は専用機には劣りますが、それでもかなり頼りになる山歩きアイテムといえます。
例えば道間違いをした場合など、迷った地点に正確に戻ることができるようなことです。
私はField Accesというアプリを使っています。
アプリの取得は簡単ですが、それからログをとれるようになるまでの試行錯誤、さらにこれをパソコンに取り込んで画像化するまでの試行錯誤・・・
私のようなアナログ世代にはなかなか難物でした。
名前を言えば誰でも知っている山は確かに魅力に富んでいるのですが、人が多いのが難点です。
これからもささやかなバリルートを探して、チッポケな自己満足を味わいたいと思っています。

投稿: 風花爺さん | 2015年4月16日 (木) 09時14分

風花様~ お早うございます。

バリエ―ルートは一般的ではないので読図が要求されますネ。
登るハイカーも先ず居ないでしょうし
万が一事があれば自己責任、単だけに当局からお咎め厳しかろうと推察します。

偉そうなことを書いていますが恥ずかしながら先日、谷筋をコースアウトしてしまい
標高差150m急傾斜を転落、滑落に怯えながら4時間、ホウホウの態で安全な尾根筋に辿り着き、危機を脱出
サラにも怖い思いをさせてしまいました。

おかしいと思ったら即元の地点に戻ること、これを怠ったばかりに
3mの滑落、擦り傷で済みましたが・・・
大事に至らずホッとしている次第です。

「こげえな山」面白い山名ですね~
山頂から残雪輝く谷川連峰に浅間山など素晴らしき眺めを独占され
いかにも風花様好みの山歩き、至福の一時だったのでは
ないでしょうか~

投稿: かおり | 2015年4月22日 (水) 09時54分

かおり様
ブログで拝見し、正確な状況はイメージできませんが、百戦錬磨のかおりさんが恐怖心におびえるシチュエーションは、そうとうにヤバイ状況だったのでしょうね。
手掛かりの無い、ザレた急斜面は滑落したら止めようがありません。
ヤバイ!と思うと余計に四肢が強張ってしまい、一層危険が増しますね。
先日、高尾山で5歳の児童が100m滑落して、かすり傷程度で済んだアクシデントがあったようですが、この例などは極めて例外的にラッキーなケースです。
サラちゃんともども無事に危機脱出でき、ほんとうになによりでした。
年寄りの冷や水がなかなか消えない私ですが、くれぐれも自戒します。

投稿: 風花爺さん | 2015年4月22日 (水) 20時59分

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