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松岩山 ~バリルートのはずだったのに・・・

2015年4月28日

ネパールの大地震は特に首都・カトマンズでの被害が深刻らしい。
決して豊かな国ではないので、当然社会インフラも整備されていないから、こうした事態を迎えたときの対処はどうしても適切にはいかない。
気がかりなことがある。
10年ほど前のエベレスト街道トレッキングのおり立ち寄ったナムチェバザールの小学校。
あのころの児童はそろそろ20歳前後になっているだろうか。
ヒマラヤの青い空のように澄んでいたあの児童たちの瞳に今、どんな惨事が映っているのだろうか・・・

Img028  前列の中ごろに私がいる
ネパールは貧しい国。学校へ行けない子供もいる。
そんな国が天災に見舞われてどう立ち直るのか。
もっとも、日本だってあの天災から4年も経つのに復興は道半ばなのだから、他人事どころではないのではあるが・・・。

さて、今日(26日)歩いた松岩山1512mについては、無名なだけにやはりその位置の説明から入らなくてはならないだろう。
草津温泉と四万温泉を結んだ線上に位置し、草津寄りにある。
一般的なハイキングガイドに紹介されることはありえないし、『群馬の山130選』からも洩れている。
ただし、同じ著者・横田 昭二さんの『私が登った群馬300山』では登場している。

そのようなマイナー山だからルートファインディングが必要なバリルート歩きになるだろうと、心の準備はしていた。
ところが、案に相違して山頂まで迷いようがないくらい道標は完備し、ミヤコザサの間を縫う山道の刈払いが行き届いていた。
拍子抜けがするくらい普通の山に変身していたが、終始緩やかで明るい疎林のなかの歩きは快適で、一人歩きの楽しみを堪能した。

Dscn4319  山里の春

Dscn4319_2 今日も暮坂峠への道を走る。
大岩集落で大岩山を見上げる。
おりよく散歩中の土地の青年に大岩山への登山ルートを尋ねた。
ついでに右の山が先日アップした「こげえな山」なので、知らぬ振りをして山の名前を聞いたところ予想もしていなかった返事が
”あれはゴリンギ山です”
”えゴリンギ? どういう字を書くんですか?”
”普通に五輪、オリンピックの五輪に木です”
???こげえな山は地元での呼び名、ということになっているのに、これは一体どうしたことか・・・

疑問を抱いたまま暮坂峠を超える。
2kmほど下ると右へ花敷温泉・野反湖方向の道が分岐する。
これまで数え切れないほど、暮坂峠を越えて白砂ラインを走っているが、こんなショートカット道があるのに気付いていなかった。
26年も前から通じている、というのに迂闊なことである。
ともあれこの道で世立(よだて)集落の手前に出て、標識で右折してガイド記事にある開墾地に着いた。

Dscn4329 世立(よだて)集落の上にある開墾地に登山口があり、道型が不明瞭なので注意を、ということが英文と中国語とも併記されていた。
こんな無名の山に日本人以外がホントに登りにくるの?

Dscn4331 駐車スペースにはたったの2台。
草津白根が見送られてスタートする。
暫くはジムニーなら走行可能な林道を歩く。

Dscn4332 マタギ平~登山道はここで林道を離れ右上に登っていく。
登山道に入っても笹は刈払いされていて迷うことはない。
傾斜も程よく、私などにはありがたい山道である。

Dscn4334 左手の木立の間から野反湖を囲む残雪の山がチラチラ
天狗の踊平~天狗岩入口などを通過。

Dscn4341 最後に短いが、半端ではない急坂をクリアすると、伐採された明るい山頂が目の前に。

Dscn4339_2 二等三角点 南側は開放的で、浅間山が霞んでいるが、それ以外の方角は延びた梢が山の姿を隠してしまう。

Dscn4340_2                                        

Dscn4342_2 帰りがけの駄賃のつもりで、さして期待はしないが天狗に立ち寄ってみた。                                
高度感があって少々怖い思いをしながら破片岩を踏んで岩頭に立って驚喜した。
指呼の間に広大な展望が開け、おかげで松岩山頂で感じたフラストレーションが雲散霧消した。

Dscn4347  八間山(中央)と白砂山~上ノ間山            

Dscn4344_2 白根から上ノ間山に連なるパノラマ

最後に嬉しいお土産を手にし、そよ風に吹かれながら明るい疎林を下る帰路も気分よく、ここなら季節を代えて通ってみてもいいな、と思えた。
山の良さは実際に通ってみなければ分からない、そんな当たり前のことに改めて気付かされた。

Dscn4354_2 世立集落に寄ってみた。
西上州の「持倉」と同じ天空の里の雰囲気にあり、立ち寄るだけの無責任な立場であれば、あァ、いいな~と思える。
お年寄りがゲートボールに興じていた。
空き家も目立つここも遠くない日に廃村の日を迎えるのだろうか。
どの集落でも「活性化」を合言葉にさまざまに知恵を絞っているが、再生の妙手は見えていない。
現にここにもその一環として設けたであろう「よってがねえ館」があるが、人の気配もなく、閉館したのだろうかと思わせる雰囲気で、下り坂にある集落には起死回生の妙手などありえないことを思い知らされるようだった。

滅びゆくものがその終わりの時期に一瞬見せる名残りの美が、全国至るところで現出している。

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コメント

風花さん、こんにちは

なかなか魅力的な山で、眺望も素晴らしい様ですね。登った事がある人や、地元の山岳会などでは人気なのかも知れません。私の生家のある山村にも立派なゲートボール場があって、20年くらい前までは賑わっていましたが、今は住む人も少なくなっています。私の知人も夫婦でカトマンズに一ヶ月の予定で行きましたが、未だ連絡がつかない様です。

投稿: 岳 | 2015年4月29日 (水) 09時17分

目を被うようなネパールの今回の災害には胸が痛みますね。
其処が、懐かしい思い出の場所としたらなおさらのことでしょう。出会った一人ひとりの顔が思い出され、無事を祈らずにはいられない事と思います。

さて、先日拝見したユーモラスな〔こげぇな山〕が地元では〔ごりんぎやま〕だったとは。。。ごりんぎ山、ごりんぎやま。。。こげぇなやま・・・と訛るにしても無理がありますね。^^

数年前の今時分に通った時に見事な一本桜があったことを思いだし、暮坂峠まで久しぶりに出かけて観たくなりましたが、
夫の気分次第です^^

投稿: おキヨ | 2015年4月29日 (水) 12時44分

岳様
名前の知れた山にはそうなる理由があります。
その一方で、有名な山に決してひけをとらないだけの魅力を備えているのに、何故か不遇をかこつ山もありますね。
これは人間の世界でも見られる現象ですが・・・
目立たないけれど素晴らしい脳力を秘めている人、無名でも、豊かな自然を内包している山。
そういう存在を見出すこともまた喜びですね。
エベレストのベースキャンプでも被害者が出ましたが、何よりカトマンズ。
国際社会の強力な支援がないと復興は険しい道になるでしょうね。

投稿: 風花爺さん | 2015年4月29日 (水) 17時57分

おキヨ様
ネパールは国力の低い国ですから、これだけ甚大な災害に見舞われると、受ける痛手は計り知れないと案じられます。
国際社会の強力な援助が欠かせません。
山の名前は地域によってそれぞれの呼び方をしますから、こうしたこともままありますね。
そもそも登山情報に「こがいな山」と紹介したいきさつも曖昧なものですから、信憑性には?もつきます。
暮坂峠道は何度も往復しているのですが、いつもピンポイントの目的地にまっしぐらに走り、途中のあれこれには素通りしてしまいます。
遠からず、道中を楽しむというスタイルに変わることになると思っていますが・・・。

投稿: 風花爺さん | 2015年4月29日 (水) 18時10分

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