« 高橋まゆみ人形展および関係あること、ないことあれこれ | トップページ | 日の出山 ~悔恨にさいなまれた道を再び »

情けは人のためならず ~笹尾根にて

201年12月20日

はかなく一場の夢と消えたSTAP細胞。
シンデレラは12時を過ぎたらただの娘に戻ってしまった・・・。

北側の都下・檜原村と南の上野原市との境に、渋いながら割りに知られているハイキングコース「笹尾根」が延びている。
笹尾根は、大菩薩嶺から牛の寝通りに入り、三頭山を通過して、高尾山に至る長い山稜の、高尾寄りの一部をなしている。
私も気まぐれに歩くが、いつもあまり気合を入れないで歩くためか、どうもあまり印象に残らない。

Static 今日(15日)のトラフィック~例によって途中でスマホが電池切れでダウン。
ところがこれが、死んだ振りであることが分かった。
しばらく体温で温めておくと電池が何割か回復し、通話くらいは可能になる。
これからはカイロで温めることでバッテリー寿命を延ばせないか、試みてみようと考えている。

Dscn3804 上野原市・郷原からの登山口
鹿柵をあけて山道になると、このコースの特徴、落ち葉のラッセルになる。
溝状の山道に落ち葉がうず高く堆積していて、けっこう歩き難いのである。

Dscn3806「つね泣き峠(おつねの泣き坂)」解説板~これまでここを2度通過していたのだが、写真に撮っていなかったので、これを写すのが今日の主たる目的。
今は奥多摩湖に沈んでいる小河内村に伝わる民話。
おつねと、寺の香蘭は恋仲になり、修行の妨げになると香蘭は甲州・西原の寺に移籍させられた。
香蘭恋しさにおつねは夜陰にまぎれて5時間の道のりを、途中で助けた犬の道案内で首尾よく香蘭と一時の逢瀬を持てたが、帰路の途中で夜明けになり、雇い主に叱られると、さめざめと泣き伏してしまう、という哀話を記している。
~「つね泣き峠」という地名はもう一ヶ所ある。
この位置の西北に当たる「三頭山」から奥多摩湖に下る途中の急坂である。
また『東京の山』(読売新聞編集)中の図によるとおつねが通ったルートはこことは反対の三頭山の西側となっているので、この解説板がなぜここに設置されたのか疑問が残る。
・・・でもそこは民話のこと、そんな詮索は野暮の骨頂でしかないな・・・

Dscn3807 毎度登場する冬木立の山道 ~こういう雰囲気が好きなもので・・・

Dscn3813 笹尾根に乗りあげたところが「西原(「さいはら)峠」 ~一年ぶりになる。

Dscn3817 

おおむね南側が植林であるため、眺望の悪い笹尾根だが「数馬峠」と「田和峠」(この名称は現在残っていない)では富士山方向が見える。

Dscn3816 アップも載せておきましょう・・・

Dscn3819 西には大菩薩嶺(右端)から黒岳(左端)。
間が先日歩いた牛奥ノ雁ヶ腹摺山と小金沢山。

Dscn3823 日原(ひはら)峠 ~甲州と武州を結ぶ峠は何本も笹尾根を越えているが、これもその一つ。
日が短いので一便早いバスに乗るため、予定を変えてここから人里(へんぼり)くだることとした。
この道は初めて?と思ったが、途中で一度下った記憶がよみがえった。
暗い植林帯で路傍に白いものが点々としているものが見えた。
カマキリの卵・・・?
だが、良く見ると思いがけないことに
「シモバシラ」だった。

Dscn3825
シモバシラ=高尾山という図式ができているので、意表を衝かれた出現で咄嗟に結びつかなかったのだ。
シモバシラとは、シソ科の多年草。
茎が枯れたあとも根が活動していて水を吸い上げる。
気温が氷点下になると吸い上げた水が茎の道管内で氷り、氷柱ができた状態がこれである。

五日市と数馬を結ぶバス道へ降りた。
この路線は自由乗降区間ではあるが、上川乗バス停に向けて歩いていると、後方からきた赤い車が停車し”乗っていきませんか?”と声を掛けられた。
バス停まではそれほどの距離ではないし、この路線は無料で乗れるし、車から漂う雰囲気がおしゃれな高級車で、汚れた靴のままでいいのかな、などの思いが交錯し、瞬時
ためらったすえ、”それではバス停まで”とご厚意に甘えることとした。
八王子へ帰るという車の主は、三頭山を歩いての帰路だそうで、同好の士であることが分かり、山の話が弾み始めたが直ぐバス停。
”どうせ八王子までの道筋だから五日市までどうぞ・・・”と重ねてのお誘いに、結局再度甘えることになった。
あれこれの会話ののち、山の記録サイト「ヤマレコ」に話が及んだ。
私も会員登録しているので毎週配信される「週間レポ」を読んでいる。
その中に、通常なら最低でも一泊二日の行程を、日帰りで歩き切るものが多く見られ感心していることを話したら、なんとこの方もそのシビア登山の実践者であった。
親御さんの介護のため日帰りの日程しかとれない、という止むをえない事情があってのこととしても、ヤワな私とは異次元の世界の住人である。

五日市でのお別れでは感謝の気持ちをうまく伝えきれなかった。
車の主はむしろ、あたかも親切を受けた側の人かと見まごうような誠実な振る舞いを見せてくれた。
差し出した厚意を素直に受け入れてくれた、そのことにむしろ感謝しているように見受けられた。
その挙措には、日頃忘れている「紳士」という言葉を思い出した。
”ほんものの紳士がいるものだな・・・”
去っていく赤いボディの後ろには4つの輪のエンブレムが見えた。

Audi

私も、これまで何度か帰り姿のハイカーを見かけて乗車に誘ったことがある。
しかし、私自身がこのような厚意を受けたことはこれまでに一度もなかった。
長い車道歩きはかなりしていて、時には親切なドラーバーから声が掛かるのを、内心では期待しているときもあるのだが・・・

「情けは人のためならず」
そうなんだよな・・・親切はその見返りを期待してするものではない、無償の行いであるべきだ。
でも、神の配剤によりいつかどこかで還ってくるものなんだな・・・。

|

« 高橋まゆみ人形展および関係あること、ないことあれこれ | トップページ | 日の出山 ~悔恨にさいなまれた道を再び »

登山」カテゴリの記事

コメント

〔おつねの泣き坂〕面白く拝見しました。
この山の民話ですね。
先日浅田次郎の短編で美女に老いた狐が取りついた物語を読みましたが、民話はその土地に伝わる素朴で味わい深い面白さがあります。

シモバシラ・・・今時分の山歩きはこういうものに出会う楽しみがあるんですね。

良い出会いはどちらの心も豊かにしてくれます。

投稿: おキヨ | 2014年12月20日 (土) 22時39分

おキヨ様
民話の世界のことに目くじらたててリアリティを求める必要などさらさらないのですが、おツネさんの辿った道は男の足でも5時間ほどはかかるようですから、娘の足で暗い間に往復することなど考えられないことですね。
民話についての知識は皆無なのですが、勉強すればきっと面白いものだろうと思います。
山は花の季節ではありませんが、このシモバシラとか、蔵王の樹氷とか、枯れ枝が凍り付く霧氷とか、自然が咲かせる花?がないこともありませんね。

投稿: 風花爺さん | 2014年12月21日 (日) 20時04分

風花さん、こんばんは

最近民話や童謡、外国の民謡や賛美歌などに興味を抱いています。そして、その素晴らしさも理解したいと思っています。この民話は他とは違い、なかなかリアリティがありますね。袖すりあうも多少の縁と言いますが、いつも単独行の私は、途中同行など良くあります。北アなどは兎に角人が多いですからね。

投稿: | 2014年12月23日 (火) 19時50分

文面から岳さんですよね。
私の手元に山田野理夫さんという方が書いた『アルプスの民話』という本があります。
北アルプスを中心にしたエリアでの民話、伝承などが集められています。
割りによく知られている「デーランボー」なども登場します。
民話を、他愛のないものとするのは簡単ですが、こうしたものが昔は子供たちの大きな興味の対象になっていたのでしょうね。
ところでパソコンは退院したのですか?

投稿: 風花爺さん | 2014年12月24日 (水) 06時56分

こんばんは

失礼しました。岳です  o(_ _)oペコッ
パソコンは戻ってきましたが、リカバリしたためにすべて記憶したものは消えてしまいました。「アルプスの民話」興味があります。

投稿: 岳 | 2014年12月24日 (水) 19時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/393418/58287879

この記事へのトラックバック一覧です: 情けは人のためならず ~笹尾根にて:

« 高橋まゆみ人形展および関係あること、ないことあれこれ | トップページ | 日の出山 ~悔恨にさいなまれた道を再び »