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鋸山 ~予想を超えるいい山だった

2014年10月16

鋸のつく山は各所にあるが、ここに取り上げる「鋸山」1998mは、深田百名山の一つ、渡良瀬川源流の山・皇海山(スカイサン)の南に位置し、かつ東に人気の庚申山も控えているため、やや存在感が薄い。
ところがドッコイ、登ってみたらこれがなかなかの優れものであった。
登路は変化に富み、展望も皇海山をはるかに凌駕していて、私としてはこれを挟む二つの山より高い評価を与えたい良い山であった。
深田久弥が、登山者にあまり評判の良くない皇海山より、なぜ鋸を選ばなかったのか聞いてみたい気がする。
深田は名山の選定基準の一つに「山格」を挙げているが、離れた位置から見る皇海山の存在感は、確かに目立たない鋸に勝っているから、客観的には深田の選択の妥当性はあるが・・・。

私は10年前に皇海山に登り、その時次は鋸を、と狙い定めていたのに長い歳月が流れてしまったのには理由がある。
それは追貝(老神温泉)から登山口の「皇海橋」へ至る車道が、誰しもが2度と走りたくない、と思う名高い
悪路であることである。
この道はそれゆえにしばしば通行止めとなり、今を迎えている。
ところ
が最近、渓流釣りが趣味の隣人から岩魚のお裾分けにあずかり、その時皇海橋まで南の根利集落から林道が通じ、しかも路面状態は悪くない、という情報を得たことで忘れていた「鋸山」が急浮上してきた。

即、行くべし!
こうして12日(日)朝、山荘を出る時はうっとうしい曇天だった。

Dscn3470 栗原川根利林道から見る皇海山(左)と鋸山
この林道の未舗装部分は約20kmあり、時速20km位でしか走れないから一時間かかり、長いなという感は否めなかった。
しかし、路面状態は聞いていた通りで、ダートとしては天国的とも言えるくらい良好だった。
下回りをガツン、ガツンとやられ、肝を冷やすようなことは一度もなかった。

Dscn3471 皇海橋登山口
さすが深田百名山 ~橋の両側にある駐車スペースは満車状態。
ここから不動沢沿いの登山道は、前半は歩きやすいが、後半は相変わらずの悪路で、10年前と変わらない。

Dscn3472 不動沢のコル~ここまで10年前は1:35。本日は1:40だから5分だけ加齢したということか・・・
不動沢のコルから見る鋸山12峰の
一部。
ボサッポイがどこか槍を思わせる。
槍の穂先の高さ(肩の小屋との比高)が120mで、鋸は直下の鞍部との比高が123m。
ほぼ同じなんだな・・・

皇海山を背にして鋸へ向かい高度を上げると次第に視界が開けてくる。

Dscn3475 どう見たって「槍」だよね・・・

Dscn3488 山頂直下のスラブ状の露岩

Dscn3478 上州武尊山~3日前にはあの一角にいたのだ。

Dscn3479 尖峰の先端は宙に浮かび、展望はすこぶる開闊(かいかつ)

Dscn3480 皇海山~奥白根~日光太郎~大真名子~男体山

Dscn3482 雲海に浮かぶ子持山

冴えわたる秋空の下にこの辺り随一と言える展望がほしいままにできた。
心残りは秋酣というのに道中の紅葉には見るべきものがなかったこと。
もっともこの秋はどうしたわけか、息を飲むほどの紅葉に出あえていない。

全く脈絡なく映画「ふしぎな岬の物語」の一くさりを・・・

Img147 周知のとおり、自らも制作に携わった吉永 小百合さんが、モントリオール世界映画祭の審査員特別賞受賞でホロリと真珠の涙を流した作品。
小さな幸せの積木が崩されていっても、希望の明日に架かる虹を見出す物語。
私としては、涙にくれる、ということはなかったが、観ている間は心の灯はともっていた。

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コメント


風花さん 、こんばんは

近隣に皇海山なる百名山があることを知りませんでした。深田久弥と言う人の探究心には、計り知れないものがある事、改めて感じています。 どんな関わりかは存じませんが、「ふしぎな岬の物語」話題作になりそうですね。

投稿: 岳 | 2014年10月17日 (金) 19時28分

岳様
深田久弥さんは作家としては成功したとは言えませんが、好きな登山の世界で、比類のない大きな足跡を残しましたね。
ご当人は今日のような百名山ブームが起こることも、それが長く続くことも想像だにしていなかったと思いますが・・・
全然無関係な映画の話題を挟んでいまいました。
吉永さんのネームバリューに映画祭での受賞の相乗効果が出て、私が観た時も観客の入りはなかなかのものでした。
ただ、作品的には少し前の「北のカナリアたち」の方が私にはズシンとくるものがありました。

投稿: 風花爺さん | 2014年10月17日 (金) 20時48分

どの山も遠望で観られる馴染み深いものですが、鋸山は知りませんでした。特徴的な形をしているので注意をしてみればわかるでしょうか。眺める場所によるでしょうね。
子持ち山も雲から浮かび上がる姿は百名山のような風格があります。
私は先日〔石榴坂の敵討ち〕を観てきました。最近時代劇好きになっています。

投稿: おキヨ | 2014年10月18日 (土) 12時59分

おキヨ様
鋸山は近くから見ると特徴的な山容で、それと同定するのはたやすいと思います。
しかし、離れた位置からになると山群に埋没して、指摘することが難しくなるように思います。
その点では、皇海山は堂々と自己主張しているので、やはり目立ちますね。
いつも見慣れている子持山は、雲海に浮かぶ孤島さながらで、しばし?山か分かりませんでした。
時代劇では最近「蜩ノ記」が映画化されたことはおキヨさんのブログでも拝見していますが未見です。
かつての「用心棒」や「椿三十郎」のような、分かりやすい勧善懲悪ものが、面白くて痛快なんですが、そんな映画は今時の監督はつくらないでしょうね。

投稿: 風花爺さん | 2014年10月18日 (土) 16時27分

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