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上州武尊・川場剣ヶ峰をトレース

2014年10月12日

上州武尊(じょうしゅうほたか)山には二つの剣ヶ峰がある。
ここに登場するのは東のそれで、川場尾根に連なる途中にあるので
「川場剣ヶ峰」とも呼ばれる。
頂稜の東側が大崩落したため長いこと立ち入り禁止措置がとられていて、登山道は東側を巻いている。
崩落以前には登山道が通っていたという剣ヶ峰の稜線が現在どんな状態にあるのかには、かねて関心があった。
この機会(9日)にそれを実現することとした。

8日、東京からの山仲間を迎えて軽く赤城山のショートコースを歩いて、その日はオグナほたかスキー場近くのペンションに宿泊。
ここに宿泊するのはオーナーがスキー場の最上部近くまで車で送ってくれるからである。
普通に駐車場から歩くより標高差にして400m以上車に乗ったまま高度を上げられる。
結果として、前武尊2040mまでは標高差にして400mほど登れば済む、というので沖武尊2158mへのアクセスが信じ難いほど楽になる。

A
昨夜の月食も見られず、今日も曇天。
前回も悪天候だったので、今度こその期待を胸にしていたメンバーもいるので、予報の外れには落胆させられる。

Dscn3463
前武尊で沖武尊向かう4人と別れ私は「剣ヶ峰」の探索へ。
ガスに包まれたまま剣ヶ峰の東側の巻き道を進むと、剣ヶ峰岩峰群の鞍部に出る。
鞍部の左(南)にはロープが張り巡らされて、立ち入り禁止は明らか。
右(北)にも岩があり、よく見ると真ん中のクラックに鎖が下がっている。

Dscn3440
手始めにこの岩を登ってみた。
傾斜はきついが足場がしっかりしているので見た目より楽に登れる。

Dscn3439
先へも行けそうだが予備知識がないので戻る。
~この段階では知らなかったのだが、ここが剣ヶ峰岩峰群の北峰の南端のようで、北へ歩いていけるらしい。

そして、やってはいけないことを承知の上で、ロープをくぐり抜けて剣ヶ峰の岩の下に出た。

Dscn3438
昨夜、ペンションのオーナーに聞いたとおり錆びた鎖が下がっていた。

Dscn3441 しっかりしたスタンスがとれるので見た目より楽。

Dscn3442 今しがた登った岩峰を振り返る。

Dscn3444nd 2番目の鎖場となる次の岩峰。

Dscn3446 3ッ目の鎖をクリアすると、そこが剣ヶ峰の山頂2088mらしい。
山名標識はないがかなり広い平な頂である。

Dscn3447 崩壊地の上端に入る。

崩壊地と稜線との境はシャクナゲなどが密生している。
始めはこれを漕いで通過しようとしたが猛烈な抵抗にあう。
試みに崩壊地の最上端に恐る恐る足を踏み入れてみたら、見た目より足元は安定していた。
落下したらひとたまりもないので、万一の場合には石楠花の枝を掴めるようにしながらここを無事にパスした。
稜線南端からはナイフリッジの急な下降になる。

Dscn3449 ナイフリッジの途中で崩壊地を見る。

転げ落ちそうな急な痩せ尾根だが、幸い潅木が生えているので、高度感がなく、怖い思いはない。
枝などに掴まりながら下降できるので、落下の不安も感じないですむ。

リッジの中間あたりから身の丈を超える笹薮の密生に突っ込む。
笹は入り乱れて足にからみつき、身動きがままならない。
これに倒れている潅木が交じって、両者が私をからめとろうとするかのようである。
足元は見えないので、穴に落ちたり笹で滑ったり。
スパッツを着けていないからパンツの裾はめくれて、脛がむき出しになり、擦り傷ができる。
靴の紐が解けているがどうにもならない。
下の登山道はそう離れていないからとにかく重力に頼って下へ下へと・・・。
もし登山道に誰かいたら、姿は見えないのに何か藪の中でガサガサしている・・・”クマだー!”と騒ぎになったに違いない。

こうして15分ほど、久し振りの藪漕ぎをしてようやく登山道に脱出した。

Dscn3456 下降したナイフリッジを黄色のマルで示した。

Dscn3457 青空がひろがり沖武尊(中央奥)が現れた。
4人はは今、どこらあたりにいるだろうか。

Dscn3462 さっき通過した目の前の(川場)剣ヶ峰と左手奥、川場スキー場上の剣ヶ峰。

前武尊に戻り4人の到着を待った。

別に法を冒しているわけではなく、自己責任を自覚しての行為とはいえ、立ち入ることが制限されている場所でのことを、このようにオープンにすることは戒めなければならないのだろうか。
そうは思いながらも、ネット上で記録が見当たらないので、これも一つのデータとしての価値があるのではないかと愚考し、あえて公開することとした。

 

 

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コメント

風花さん 、こんにちは

上州武尊山、奥深くタフな感じを持っていますが、ワクワクする様な山ですね。山を愛する人は夢とロマン、そして冒険心。いずれも捨てられないのでしょうね? 自己責任と言いながら、必ず行ってしまう人の多い事も事実です。 この3連休、流石に浅間山に登山者は少ない様です。

投稿: 岳 | 2014年10月12日 (日) 13時53分

岳様
武尊を「ほたか」と読ませるので、あの「穂高」と間違えてしまいますね。
そこで頭に「上州」とつけて区別できるようにしたのだそうです。
もとは「保高」という名前だったそうですが、日本武尊を祀るようになり、今の名前に落ち着いたようです。
普通の山歩きだけでは飽き足らないものを感じることがあり、その時は少しだけスパイスを効かせてみたいのですね。
そのため、ヤバイ!と思ったことも何度かありますが、これまではなんとか切り抜けてきました。
これからもそううまくいくかどうか、年寄りの冷や水はそろそろお終いにしなければならないのでしょう。

投稿: 風花爺さん | 2014年10月12日 (日) 19時23分

土地柄、武尊という名は穂高よりはなじみ深いですが、スキーのメッカという程度の認識。こんな凄い山とは!
おもえば、遠望からの武尊は考えればかなり威風堂々とした山ですからですものね。

それにしても、○年の皮を被った青年〔言葉にいささか品が無いm(__)m〕という感がいよいよ強まりました。素晴らしい。。。

投稿: おキヨ | 2014年10月13日 (月) 13時25分

おキヨ様
上州武尊山はおキヨさんにはお馴染みの山ですね。
離れた位置から見ると一塊の山ですが、なかなか懐の深い山なんです。
個性が際立つ、という趣には欠けていますから、絵には描きにくい山なのかな、という気がしますがどんなもんでしょうか。

気になることがあると、時として歳を置き去りにして究めてみたい気持ちが抑えられなくなってしまいます。
いつになったら自分で自分を戒めることができるのやら・・・。

投稿: 風花爺さん | 2014年10月13日 (月) 15時14分

風花爺さん、おはようございます(^_^)

こちら信州は無事、台風が通り過ぎたようでホッとしています。
上州武尊、なかなかスリリングな所を歩かれたんですね。
気になったらとことんチャレンジすることがいつまでも若い秘訣でしょうか。

学生の頃に一度登ったきりの武尊、こちらからは遠いのですが、また登ってみたくなりました。

投稿: rommy | 2014年10月14日 (火) 06時27分

rommy様
19号台風は軽微な被害で通過してくれたようですね。
これで御嶽山の捜索活動はますます過酷なものになるのでしょうが。
紹介してところはショートレンジなので、長い緊張を強いられることはありません。
なので、大キレットや、西穂~奥穂の通過のようなこととは比較になりません。
年齢相応のスリルを楽しむ、といったところです。
長野には3千mを超える山まで、よりどりみどりの山がありますから山の選択が悩ましいくらいでしょう。
それでも、まだ知らない山があると気になって、遠いところまで出かけるのを厭わない・・・
因果なものですね。

投稿: 風花爺さん | 2014年10月14日 (火) 10時11分

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