« 感銘の一書~『氷壁・ナイロンザイル事件の真実』 | トップページ | 編笠山を思いながらの奥多摩歩き »

西岳 ~八ヶ岳、ひとり離れて

2014年7月9日

たくさんの頂を南北に連ねる八ヶ岳
その主稜線からはみ出している山のトップは阿弥陀岳で、それに次ぐのが今日(6日)に登る、西南端にあり、同じような山容の編笠山と仲良く並んでいる
「西岳」2308mである。
足かけ60年近くになる山歩きの自分史の中で、随分通った八ヶ岳であるが、唯一山頂を踏んでいないのがこの山。
八ヶ岳の周辺を移動していれば西岳は嫌でも目につくし、その度に落ち着かない思いをしながらも、いつしかいたずらに時間が流れていた。
今の私には、標高差が1100m近くある山に登るのは荷が重いが、どこまでやれるか、の試金石にはなるだろう。

中央高速の勝沼辺りでは残雪豊かな南アが不透明ながら見えていたのに、登山口の富士見高原ゴルフ場の駐車場に着いた時は、周囲一帯はガスの中だった。

Static 今日歩いたとてもシンプルな登山道。
西岳は端正な三角錐なので、山道も素直なラインを描いている

Dscn3093 不動清水 ~ここから山道に変わる。
八ヶ岳の登山道の多くは転石の多い「ゴロタ道」で、歩きにくく、それだけ消耗させられる。
ところが西岳への道は土の路面がよく均されていて、その上勾配が緩いのでとてもオールドタイマーの足に優しい。
・・・とはいえ山登り、疲れないということにはならないのが残念。

Dscn3094 このところこんな五里霧中バッカリ。

Dscn3095 もうおなじみのギンリョウソウ

Dscn3104 森林限界にでると、ホンの一瞬、編笠山がボンヤリと。

Dscn3096 先ほど鈍足の私を追い抜いていったパーティ ~写真の点景として写させていただいたところ。

Dscn3097 気がついてポーズをとってくれた。
”ブログに載せますよ”というと”おじさん、頑張って!”とエールを送ってくれた。
おじさんと
「い」を抜いてくれた心優しき若者たちに祝福あれ!
・・・若いって、いいな~

Dscn3099 お腹ポッコリでんがな~気にせんといといて・・・

このところ絶えて久しくなかった標高差千m超を、標準タイム以下ででクリアしたというのに、下山の胸中には満足感がない。
むしろ挫折感にちかいものが澱んでいる。

何故なんだろう?
西岳の山頂に着いた大多数は、ここを通過点として、当たり前のようにサッサと編笠山へ向かう。
そこから富士見高原へ下る三角形を描くのである。

それが出来ない今の私は、羨望と嫉妬がないまぜになり、もう2度と手にすることのできないものを失っていることに気づいている。
”今の自分にできることをすればいいのだ”そう自分に言い聞かせても、諦めの悪さが心を沈ませているのである。

|

« 感銘の一書~『氷壁・ナイロンザイル事件の真実』 | トップページ | 編笠山を思いながらの奥多摩歩き »

登山」カテゴリの記事

コメント

上の2枚の画像の間に歩かずに運んでもらいたい心境です。
ギンリョウソウという花〔ですよね?〕はまるで妖精ですね。

風花さんの画像と云い岳さんの画像と云い、憧れ気分で拝見しているうちにいつか山の頂上に立つ夢を見るのではと秘かに期待しているのですが。。。なかなかそうはいきませんね。

投稿: おキヨ | 2014年7月 9日 (水) 13時05分

おキヨ様
このギンリョウソウは花です。
暗い木陰を好んで咲くので、気味の悪い思いをさせられます。
ユーレイタケなどという別称がありますが、この方が雰囲気に合っていますね。
キノコに寄生して養分を摂っているそうです。
秋にイネ科の植物に寄生して花を咲かせるナンバンキセルもその一種になりますね。
植物も動物もその生態はまことに奇想天外です。
このところ快心の山歩きができなく、従って写真も見栄えのするものが全くなくて、気がひけています。

投稿: 風花爺さん | 2014年7月 9日 (水) 16時02分

風花さん 、こんばんは

年齢差はあるものの感慨は同じ様です。元来山頂には拘らず、絶景を求めての「見上げた・・・・」は、いい訳の最たるものでして… スカッ!と富士山が見えたら、その様な気持も吹っ飛ぶ事でしょうね。

投稿: 岳 | 2014年7月10日 (木) 21時33分

岳様
登れる山の引き出しに入っていた山が、いつの間にか眺める山の引き出しに移っていて、それが年とともに増えていく・・・
遅かれ早かれ、誰しもが避けては通れない道ですね。
何かの拍子にフッとそこに気づき、何とも言えない、寂寥感のようなものに取りつかれてしまうことがあるのです。
霧の中を歩いているせいで、岳さんがおっしゃるようにスカッと晴れてさえいれば、そんな感傷は吹っ飛んでしまうと思います。

投稿: 風花爺さん | 2014年7月11日 (金) 06時36分

「手塚宗求」さんで検索してたどり着きました。
「西岳」は、私はカステラの端っこと読んでいる山で、やはり同じく気になる山ですが未踏です。
今年中には是非、登るぞ!と思っています。
手塚宗求氏の事も今更にして知りました。
今著書を一冊ずつ読んでいます。
9月にはヒュッテに泊まりに行きます。
今後も訪問させて下さい。

投稿: noritan | 2014年7月18日 (金) 05時23分

noritan様
コメントをお寄せいただきありがとうございます。
こんなブログですが懲りずにお越しいただければ励みになります。
「西岳」は「カステラの端っこの山」ですか・・・
端っこが一番おいいしいような気がします。
人それぞれの感じ方の違いはあるでしょうが、いずれにしても本線上から離れた存在であることは確かですね。
手塚宗求さんが亡くなられてからそろそろ2年になります。
私はコロボックル・ヒュッテを開いたころから知ってはいたのですが、それほどのお近づきではありませんでした。
ただ、手塚さんが書かれた、霧ケ峰への愛着がしみじみうかがえるエッセイの愛読者の一人ではありました。
あることがご縁で年に数回程度の簡単な手紙のやり取りをするようになり、ようやく初めてヒュッテに泊まったのが8年ほど前のことです。
生涯を霧ケ峰の風と霧と花の中で静かに過ごした手塚さんの生き方には心打たれるものがあります。
今はご子息の貴峰さんがヒュッテの経営にあたっていおられますが、もう一度手塚さんを偲んでお訪ねしたいと思っています。

投稿: 風花爺さん | 2014年7月18日 (金) 06時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/393418/56720203

この記事へのトラックバック一覧です: 西岳 ~八ヶ岳、ひとり離れて:

« 感銘の一書~『氷壁・ナイロンザイル事件の真実』 | トップページ | 編笠山を思いながらの奥多摩歩き »