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またまたの道迷い ~奥多摩・倉掛尾根にて

2914年5月16日

再び、自慢できないことを、自慢たらしくレポします。
この道迷いは早々に気づき、かつどう対処すれば良いのかを明確にイメージできていたのに、根拠のない希望的観測に基づいて、強引に迷い道を突き進んだことにすべての原因があります。

東京都と山梨県との境に「笹尾根」と呼ばれる低山ハイカーに人気の長い稜線があります。
その北側に並行してやや短い「浅間尾根」というやはり人気の尾根があります。
さらにその北に並行して短く地味な「倉掛尾根」があります。
山道は昭文社地図では赤破線なので不明瞭のようで、ネットでも惑わされて記事が多く見られます。
反面、尾根に並行する車道が離合しているのでなにか起これば車道に逃げられる、そんな保険つきのコースでもあります。
ところがそんなイージーな尾根歩きなのに、14日またしても手痛い目に逢ってしまいました。
以下、その顛末を・・・

先ずは数馬でバスを乗り継いで都民の森へ(ちなみに数馬から都民の森までのバス代は無料~鷹揚なことで、さすが東京都は金持ちだ・・・)。

Dscn2972 歩き始めて先ず鞘口(さいぐち)峠へ。

Dscn2974 峠を東に新緑の尾根道を歩く。

Dscn2975 奥多摩周遊道路へ下りるとそこが「風張峠」で、倉掛尾根を示す立派な標識が立っています。
ところが肝心の尾根の取り付き点が不明で「風張林道」という舗装林道に沿うあまりらしくない尾根に入りました。
それは正しかったのですが、ただでさえ定かでない尾根道は時折フッと消えてしまい、林道に出てしまいます。
そんな離合を繰り返しながら進むと、またもや粗末な石段で車道に下りるとそこに、手製の標識がありました。
倉掛山を示しているのですが・・・

Dscn2977 この形では、今辿って来た方向に倉掛山があるように見えるのですがが、それらしい山はなかったな~。
山道に戻り東へ進むと・・・

Dscn2978 ほどなく倉掛山頂 1078mに到着しました。
山頂に着いて最初に訝しく思ったことは、ルートはこのまま東へ直進するはずなのに、直角に左折して北へ下っていることです。
直進方向は藪で踏み跡は全く見当たりません。
”そうか、いったんは北に向かうが、いずれ東へ頭を振るんだろう”
そんな根拠のない解釈をして下り始めたが、一向に進路を東に変える様子がありません。
ここに至って、これは作業道の痕跡で、正しくは山頂からまた林道に降りるのだ、ということに気づいたのですが、いったん下ると登り返す決断はしがたいものです。
「迷った時は、迷った場所まで引き返すこと」というセオリーは知らないわけではないのですが、下降時での道迷いの場合は、登り返すことがこのセオリーを順守するための壁になってしまうのです。
登り返すより、このままこの作業道を拾って行けば山麓(見通しでは月夜見林道)へ出られるはずだ、という希望的観測に過ぎないことが、あたかも正しいことと思い込み、次第にますます戻ることが難しくなる深みに入っていく、よくあるパターンに嵌っていくのです。
作業道は下るほどに怪しくなり、赤テープが巻かれた樹木も見当たらなくなりました。
尾根からいつしか離れ、谷へ向かって下る斜面はすこぶる急で、足元は細かな砂岩のため踏みしめていてもズルズル滑り落ちるようです。
疎らな立木を危うく伝い、足を突っ張りながら谷底へ下り立ちました。

谷へ下りるのは山の世界ではやってはいけないことの第一番の鉄則ですが、過去何度か谷を下降して脱出できた成功体験もあります。
その経験にすがってみようとしたのですが、それがいかに甘いものであったかを直ぐに知ることになりました。

水流のある狭い谷は目の前で落差2mほどの滝を落とし、その10mほど先には下が見えない大きな滝があります。
狭いV字状の谷の両岸はヘツルことも不可能なツルツルの濡れた岩で形成されています。
ロープなど携行していませんが、仮に持っていたとしても役には立たないでしょう。

万事休す!進退ここにきわまりました。
谷の彼方にはどこかの集落が遠望できていますが、そこへ行くのは不可能です。
もう何としても戻る選択肢しかありません。
あまりの急斜面のため、滑り落ちないように足に力を込めるため、アキレス腱は痛く、ふくらはぎは痙攣を起こしそうでした。

そのようにして再び倉掛山に戻りました。
~帰宅してから調べたところ、標高差にして250mほど下っていましたが、このために2時間をロスしてしまいました。

Img092 赤丸が間違って下降し、戻ったルートです。

山頂から車道に下りれば山麓の集落まで何の面倒もなく下れます。
途中、再び山道に入れるようですが、その気力はもう失せていました。
その道すがらで、10年ほど前に御坂の十二ヶ岳で、何の理由もなく突然襲ってlた右膝の痛みが再発しました。
古傷が蘇ったのは、さっきの滑落の危機にさらされ、必死のあまり足に過大な負荷をかけてしまった私につきつけた警告なのでしょう。
”少しは足の身にもなってくれ!たまには足も休ませてくれ!だいたい月に10回も山に入るなんてジイさんのやるこっちゃないでしょうが・・・”
確かにこのところ過重な負担を掛けている膝からの猛烈な抗議が聞こえるようです。

さて、このチョンボの原因は2・5万の地形図(コピー)を持たないできたことにもあります。
地形図さえあれば「登山ルートは倉掛山の山頂から南側に離れて通過し東へ進む」ことが一目瞭然なのです。

ほんのわずかな手抜き、油断がいかに大きな代償を払うことになるか、これまでずいぶん学んできているのですが、活かされていないません。
♪わたしバカよね、おバカさんよね♪
とこれまでの度重なる反省に、また一つ反省を上積みしました。

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コメント

風花さん 、おはようございます。

旺盛な好奇心と、探険家並みの精神は、黒斑山を歩かれた時から感じていましたが、積重ねた山行経験がその様にさせるのでしょうか?人気の尾根とあって、登山道も標識も立派なものですね。

投稿: | 2014年5月19日 (月) 08時35分

岳様
山を少し甘く見る性癖はなかなか直りません。
「ハインリーッヒの法則」によれば、こうした小さなヒヤリ、ハットがいつか大きな事故につながることも知識としては知っているのですが・・・。
山での遭難事故の事例をみると、何でこんなところで?といぶかるくらいのやさしいハイキングコースでも起こっているのですから、いかなる山でもナメタラアカンのですね。

投稿: 風花爺さん | 2014年5月19日 (月) 11時46分

地形図のコピーを持参しなかったばかりに
V字型の谷に突入、進退極り250mを登り返す羽目に
日の短い晩秋や初冬の時期は一寸ヤバいです。

どんな山も手抜きすると大きなしっぺ返しを被る事例かもしれませんね。くれぐれもご用心のほどを

それにしても月10回の山行き驚きどす。当方の倍やんか・・・
仰るとおり、少し足を労わらなくてはです。

投稿: かおり | 2014年5月19日 (月) 22時43分

かおり様
どんな山でも、山に入る以上は地形図とコンパスは必携という基本を怠った時に、こうした失敗をおかすことをこれまでに何度か経験しているのに、懲りない私です。
近郊の山だと、大体が頭にインプットされている、という過信のせいですね。
今年は私が大台にのる年になるので、年間の山行日数を100日超とする目標を密かに立てているので、中2日くらいのローテーションででかけています。
こうなると、大げさな言い方をすると、家には寝に帰るだけに近い感覚になってしまいますね。

投稿: 風花爺さん | 2014年5月20日 (火) 06時32分

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