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カタカナ語 ~この悩ましき存在

2013年10月9日

山歩きはいつものペースで続けているが、このところそこらのショウモナイ山ばかりでブログにアップするほどの成果がない。

そこで大分古い新聞ネタ(2012年12月8日づけA新聞)にすがって箸休めの一篇に、いう苦肉の策となった。

コンピテンシー、インスタレーション、インキュベーション、コモディティ、ダイバーシティ、サスティナブル、コンソーシアム、オルタナティブ、ステークホルダー、リテラシー。
これが上記した記事で”幾つ分かりますか?”として採り上げた外来語である。
以上の10語で私が分かるのは3語だけであった。
外来語についてのアレルギーは比較的少なく、使える用語であれば(ナイフ、スプーン、フォーク、ラジオなどなど)
反射的に出るくらいの私ではあるが、この体たらくである。

定着できなくて自然に消滅した外来語(中には和製英語なども交じっているが・・・)がある一方、それ以上に新顔が登場するので、社会との縁が薄くなった私など「カタカナ言葉難民」化している。

カタカナ語の氾濫とその対処についての議論は古くて新しい。
9月4日のA新聞の「耕論」で三人の識者が論陣を張っていた。
1は日本語を守るために「言語法」を制定すべし、2は過剰な英語化を慎む、3が取り込んで面白がって使えばよい、というもので、従来からの議論もおおよそこの3つに類型化されていると思う。

これからも正解に到達できない議論が果てしなく繰り返されるのであろう。

社内での公用語?が英語になった会社もあり、低学年からの英語教育の実施など、日本での英語の地位はますます高くなりつつある。
外来語ばかりでなく、「気がおけない」を「気を許せない」と正反対の意味だとして誤用している例のように、日本語そのものの乱れも指摘されてから久しい。
今はかつてないほど日本語の受難時代なのか。

だからといって一部の極論のような「日本語は消滅する」という類の悲観論も当たるまい。
日本語は長い歴史に磨かれ、美しくてしなやかで、強靭な言語である。
ちとやそっとで消滅するようなヤワな言語では断じてない。

Img036

外来語を使う効用としては、自分が知識人である(勘違いだが・・・)と陶酔できる、あるいは人からそう思われる(と勘違いする・・・)優越感が味わえるという「無邪気な心理がある。
実際にその使用が便利で分かりやすい場合も少なくない。
日本語での表現力が低い者が、遁辞として用い何となく煙に巻いてしまうこともあろう。

乱用は確かにみっともないが、さりとてほとんどの人に通用するカタカナ言葉をムリヤリ日本語にするのも不自然であろう。

一方、適切な日本語に言い換えができるもの、コンプライアンス=法令順守、リスペクト=尊敬、プライオリティ=優先順位などは日本語で言う方が品位があがるように思える。
しかし、例えば上記の「コンピテンシー」の場合には「ある仕事で高い業績をあげている人の行動の特徴」の意味なので適当な日本語が見当たらないケースもあり、要するにその場で一番適切な言葉を使うのが、一番良い、などと言うと”当たり前のことを言うな”とお叱りを受けることにななりそうであるが・・・。

私は勤務先が、最も外来語を使う(使いたがる)業種の一つ、広告会社グループだったために、とにかく日常身辺にカタカナ語が飛び交っていた。
そこでは、相手が分からないカタカナ語をあえて用いることによって、”なんだか理解できないが何となくご利益がありそうだ”と相手に思わせる、ある種のマインドコントロール下において、商談を有利に進める効果的なツールであった。

私もある時期、若気の至りで自分の中で消化できていないカタカナ語を多用した時期があった・・・今でもその残滓が・・・。

そのころの自分への言い訳としては”オレが使えば知らない奴はどういう意味か調べるなり、聞くなりして知ることになるだろう。知識が一つ増えることとなり、次からは同じレベルでその言葉に向き合えることとなるのだから、悪いことではあるまい”というものだった。

さて外来語にもまして理解不能なのが若者言葉である。
本来の意味が逆転して使われているのはまだしもとして、女学生同士の会話など、方言よりもよほど分からない。
もっとも女学生と会話することなどないので、さしあたり困っているわけではないが・・・。

言い古されたことだが、言葉は生き物である。
日々変化していくし、新しい言葉も生まれてくる。
誤用に一々目くじらたてていたら身が持たない。
カタカナ語にもできるだけ付き合っていくしかない。
新しい言葉に出合い、それをなんとか消化しようとすることも能トレになるかも知れないから。
・・・カタカナ言葉難民とならないよう、市井の片隅で私はそう思うこととしている。

 

 

 

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