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回想の黒斑山

2013年8月11日

I さん
秋が立ったとたんに猛暑がぶりかえしてきました。
その後いかがですか?
今は自宅ですか?それとも病院でしょうか?
たまのメールのやりとりだけなので、案じています。

ボクのほうは相変わらず○○の冷や水を続けています。
この時期の山選びは案外悩ましくて、2千m以上の涼しくて日帰りできる山となるとなかなか見当たらないのです。

そんな中でフッと思い立ち、今日(9日)、51年前の1962・5・9にあなたと登った「黒斑山」2404mを久し振りに歩いてきました。

あの山歩きは傷心のボクをあなたが見かねて山に誘い出してくれたことで実現した山行でしたね。
あのころ、ボクは自身が精魂こめてプランニングした鹿島槍の春山合宿に、休暇がとれないため参加できず、虚脱状態になっていました。
そんなボクのことを案じて”山へいきましょう”とあなたが背中を押してくれたのです。
I さん、あなたはそれを今でも覚えていますか?

前日は佐久の御座山(おぐらさん)に登り、黒斑の翌日は一の倉沢・一の沢を遡行し、などで鹿島槍には及ばないものの、愉しい5月の山旅が、折れかかっていた心にどうにか平衡をもたらしてくれたのです。

この山行記であなたの心の筐底(きょうてい)に閉ざされているもの~果たしてそれが蘇ってくれるでしょうか?

Dscn1467 山麓の浅間サンラインからの黒斑山(左)です。
浅間山の本峰は手前の剣ヶ峰の背後に覗いています

Dscn1450 あのころと違い、今では黒斑山はすっかり人気者になっています。
今日は表コースから登り、中コースで戻ってきます。

Dscn1454   意外に花の多い山道でした。 

Dscn1455 薄雪草です。

Dscn1453 だれでも知っているマツムシソウですね。
山では一足早く、もう秋の花が開いているんですね。

Dscn1459 トーミの頭が目の前です。
あなたもボクも 見ていたはずですが、ボクの記憶には残っていません。

Dscn1461_2
スタートしてから2時間弱で黒斑山頂につきました。
ここに立つのはあなたと登った2年後、職場のハイキングで歩いているので49年ぶりになります。 
ここまでの行程は、まるで初めての山のようでした。  
               

Img287 これは51年前のセピア色に褪せた山頂写真です。
背後の浅間山の姿は変わりませんが、樹木が大きく成長し、開放的だったのが、今は浅間山の方だけが開けています。
時間の堆積~その中で変わるもの、変わらないもの・・・。

あのころ「蒸気機関車」の異称を奉られたほど馬力があったあなたが、長いこと脚の故障に外出もままならない。
そんなあなたに、ありきたりの言葉で気休めしかいえないボクは、少し後ろめたさも感じているのです。

せめてこの記事があなたに2千mを超える高みの風を届けられたら・・・と願っています。

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コメント

私の出る幕ではありませんが、友を思いやる文章に心打たれました。

ひとこと・・・セピア色のお写真素敵です。

投稿: おキヨ | 2013年8月12日 (月) 11時56分

おキヨ様
私信の形式をとっていますが、ブログで公開する以上、私信ではありません。
お気遣いしていただいて恐縮です。

! さんはインターネットをやっていないので、このブログが目にとまることもないのです。
プリントアウトして送るつもりでいます。

古い写真が同じように変色するのは、おそらく焼付け段階で使う薬剤の関係なんでしょうが、不思議に誰にでも郷愁を呼び起こしますね。

投稿: 風花爺さん | 2013年8月12日 (月) 19時50分

51年前の若きし頃の凛々しき風花様のお写真拝見しました。

後押してくれた素敵な方と傷心の身を癒しての山旅
素晴らしき想い出の回想アルバムを拝見していると
ほのぼのと心が温まり、又羨ましくもなります。

お言葉のように50年を隔てて、其々の人生が
大きく変わるものと、変わらないもの、全くその通りだと思います。
お互い山への憧憬は変りませんが
これも健康体なればこそです。自分の思い通りに体が
動くということはホント感謝しなければなりませんネ

黒班山は本白根山、四阿山と共に秋の時期に
登っていますので懐かしいです。

投稿: かおり | 2013年8月16日 (金) 00時16分

かおり様
暑い夏の主役が四万十川に移り、このところ京都の暑さの話題は聞きませんがやはり半端ではないのでしょうね。

いささか感傷的で面映い記事になってしまいました。
思い出なんて心のうちに閉ざしておくべきものなんでしょうが、ツイ表出してしまうことがあるものです。
良い思い出は財産ですね。
それによって力が湧いてくることありますから・・・。

50年という歳月は時には残酷なくらいに多くのものを変えてしまいます。
でも、山の姿は変わらないですね。
そうそう、一番変化を感じることは樹木の成長、繁茂ですね。
50年前というと、復興事業として植林が盛んに行われていました。
従って当時は山肌の多くが裸で、その分展望が開けていたのが、今ではすっかり大きく成長した樹木に覆われ、その変貌の大きさに驚くことがけっこうあります。

50年後、どんな変化があるのか、それを見届けるために健康を保ち、元気に生きていきましょうか。
いくらなんでもそれは少々厚かましいですね・・・。

投稿: 風花爺さん | 2013年8月16日 (金) 07時16分

申し遅れましたが

ウスユキソウの御教示
      有難うございました。

厳しい暑さが続きます。くれぐれもご自愛のほどを~

投稿: かおり | 2013年8月16日 (金) 13時33分

かおり様
花の権威、かおりさんには「釈迦に説法」になってしまいますが、アルプスの「エーデル・ワイス」に似た花としてコマウスユキソウ、ハヤチネウスユキソウ、ホソバヒナウスユキソウなどがありますね。
ところが薄雪草になると、可憐さとか繊細さがなくなり、ただの「野の花」にしか見えないですね。

投稿: 風花爺さん | 2013年8月16日 (金) 14時02分

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