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大ナゲシ~西上州トンガリ山のチャンプ

2013年5月9日

大ナゲシ1532m~この奇妙な名前の山の姿を見て以来、その存在感の際立つ尖峰が私を捉えて離さず、いつかはその頂に立ち、そこで私の西上州の山遍歴は一つの到着点に達することになるだろうと考えていた。
西上州はトンガリ山の宝庫であるが、とりわけ大ナゲシはその山容の、破綻のない端正さにおいて抜きんでていて、チャンピオンの称号にふさわしい、と私は少々贔屓目ながら評価している

かつての大ナゲシは大変困難な山で、私の技量では登ることは容易な業ではない、という認識を持っていた。
ところが昨今、鎖や固定ロープがセットされ難易度が低下し、私ごとき軟弱者も迎え入れてくれるらしいことが分かった。
結果はおおむねその通りではあった。
とはいえやはり一つ誤れば命とりになりかねない危険箇所はあり油断は厳禁。
それを強く自戒しながら慎重に行動して宿願を果たすことができた。

P4040135 北の立処(たとろ)山からの大ナゲシ(中央の尖峰)
左の凹部が赤岩峠で、峠の向こう側(南側)から峠へ登る。

ゴールデンウイーク明けの7日は季節はずれの西高東低の気圧配置となり、強風と低温で迎えた。
このようなときは大気がキーンと張り詰め清明になり、遠望が利く。

登山口はかつての「ニッチツ鉱山社宅跡」にある。

Dscn1000 殷賑(いんしん)をきわめたかつての面影はいずこ?主無き住まいの跡にも季節が巡れば桃の花も開くのがまた悲しい。

Dscn1002 右・群馬懸上野村ニ至ル~鉱石を群馬県に運んだ峠道の古い石標。

Dscn1031 赤沢峠下

Dscn1030 奥秩父と西部上州を結んでいた往時の重要な交易路であった峠道も、今は登山にだけ利用されている。

Dscn1007 峠から西へたどり振り反えると赤岩岳の大岩壁。

Dscn1010梢を透かして大ナゲシ。
山頂から左へ下がるラインを登る。中間に肩に当たる平らがあり、その上・下が岩場になっている。

Photo 岩場の基部。二手に分かれるので、高度感があるという左を登りにする。
岩に2方向の矢印が描かれているが、ペンキが薄れて不鮮明なので写真の矢印は修正してある。
~帰路には右ルートを下降したが、垂直10mほどの岩場でそれほど簡単ではない。

E7003a 最初の鎖場を上から見下ろす。

Dscn1013 三つめの岩場は斜上するトラバース。
ゾクゾクするような高度感があるが、八ヶ岳の遠望に救われる。

Dscn1015 頂上圏の岩場~ここは階段状で問題なし。

Dscn1029 最後の鎖場~ここも特段困難なことはない。

Dscn1016 宙に抜けると、そこは積年の宿願だった山頂~大展望に酔い痴れた。
直前まで、山頂についたら”バンザイ!”と叫ぶつもりでいたが、気持ちが昂ぶっていたせいか忘れてしまった。

Dscn1026 県境稜線の彼方に赤岳など八ヶ岳の主峰たち。右の高いのは御座山。

Dscn1018_2 南は雲取山(左)から金峰山に至る奥秩父主脈

これで心理的には西上州の山の一区切りがついた気がする。
もちろんまだまだこのエリアには足を向けるが、難しいのはそろそろこれくらいで”撃ち方やめ!”かな・・・

そんなことを、とつおいつ思いながらの帰り道だった。

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コメント

遠望はきれいな三角形の山ですね。
近くで臨む姿のなんと荒々しいこと。。。
素人判断ではよく解りませんが、私と同年代の方がこういう岩場を登るということは相当訓練を積んだ方でないと無理なのでは?凄い体力だとはやり思います。

そのような風花さんが一旦心で〔これでおしまい。。。〕とお思いになっても、身体が承知するかどうかでしょうね。。。
○○は急にとまれない・・・は変なたとえになりますが。。。(~_~;)


投稿: おキヨ | 2013年5月10日 (金) 14時56分

おキヨ様
大ナゲシの周辺には特に個性的な山が多くて、惹かれます。
惜しむらくは標高が低いので、灌木類が茂っていて、そのために野暮ったいものがどうしてもつきまとってしまうのです。
せめて標高が全体に千mあがったら北アルプスに比肩できる素晴らしい山岳景観が出現するのですが、ムリな注文ですね。
野暮は野暮なりに、それがまたこの辺りの持ち味でもあるのですから、金子みすゞのように「みんなちがって、みんないい」ということですね。

ご指摘の通り、確かに急には止まれません。
肩の力を抜いて、ゆっくりフェードアウトしていくことになるでしょう。

投稿: 風花爺さん | 2013年5月10日 (金) 17時37分

「トンガリ山」……言葉の響きは可愛らしいのですが、山道の写真を拝見すると、印象が変わります。
畏怖、畏敬、恐れ、厳しさ…そんな言葉ばかりが次々に浮かび、文章にはならないまま呆然と眺めるのみでした。山に対しても、風花さまにも…。

投稿: 淡雪 | 2013年5月10日 (金) 23時13分

淡雪様
山歩きとは無縁の方から見ると”エーッ こんなとこ登るの!”という感じがあるかもしれません。
しかし、山を歩くことを常態化している立場からみると、とりたてていうほどのレベルではないのです。

ただ、あと1年ほどで80歳になる年齢を考慮にいれると、多少は頑張っているな、という自負がないわけでもありません。

それとて満80歳で現在エベレストに挑戦中の三浦雄一郎さんと比べれば、比較するのも愚かしいほどの低レベルで、上を見れば切りがない、という平凡な感想に落ち着いてしまいますね。

投稿: 風花爺さん | 2013年5月11日 (土) 12時05分

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