表丹沢のパノラマを楽しむ渋沢丘陵
2013年1月20日
格好付けた言い方になりますが、食わず嫌いは視野を広げる機会をみすみす逃している、そんな経験は誰にもあります。
今日(18日)はそんな一日でした。
小田急線沿線に「渋沢丘陵」という古くから知られたハイキングコースがあるのですが、これまで私は見向きもしないでいたエリアです。
不遜にも「上から目線」で小バカにしていたのですね。
ある必要に迫られて歩いてみることになりました。
結果はこれがとんだ掘り出しものだったのです。
ハイライトは雪をまとった表丹沢連嶺の見事なパノラマです。
これにはスレッカラシの私もかなり興奮しました。
それがこれです。
渋沢丘陵の一角からの表丹沢パノラマ。
左から桧岳山稜~鍋割山稜~塔ノ岳~表尾根・三ノ塔~大山とつながります。
何にでも貪欲に食らいついてみるものですね。
新宿から小田急で郊外へ向かっていくと、都下では北向きの屋根や日陰の道では14日の大雪(たったの8cm・・・)が残っているのに、神奈川県に入ったとたん、ウソのようにウララな朝なのです。
お天気の神は何かの義理があって、神奈川県民には雪かきの負担を与えない配慮をしたかのようです。
やがて丹沢の山なみが見えてくると、期待通りというより、期待以上の雪景色になっていました。
まとまった降雪があって、その直後でもない限り、丹沢山塊の南面では雪姿を見ることは滅多にできないのですが、今日は目論み通りになりそうで、心が自然に躍ってきます。
渋沢駅で降り、分かり難い住宅地の道を、それでも途中から導標で今日の最高点「頭高山(ずっこうさん)」303mへ。
先着の女性が二人。
これという特徴のない雑木の疎林の静かな山頂でした。
しかし、渋沢郊外からここまでの行程の随所でお目当ての景色を我が物として歩いてきました。 厳しい冷え込みの日陰で健気に咲く花~君の名は?
頭高山からの渋沢丘陵歩きは、山道と車道が交じり、時に住宅へ降りたりする、あまり例の無いハイキングコース。
これはコースと途中で振り返った箱根の山。
中央のズングリが明神岳。右端が金時山。
表丹沢の核心部・主峰「塔ノ岳」を挟んで鍋割山稜(左)と表尾根(右)
丘陵の背を歩く場所では、右手に相模湾の波濤が煌めき、その奥にかすんだ大島が浮かんでいます。
ところどころ、栽培を放置していると思われるミカン畑があったりします。
♪みかんの花が咲いている ~ ♪
大海原と、雪の連嶺の間に自分がいる~そんなシチュエーションはそうザラにあるものではありません。
その意味で、この丘陵歩きは大変貴重なものだという認識を新たにしました。
地元はこんな貴重な観光資源は大いに知らしむべきでしょう。
ハイキングのゴールは「震生湖」~関東大地震の時生まれた堰止湖。
もう一度表丹沢のパノラマ。
秦野駅に近づいているので、右端の「大山」と中央の「三ノ塔」がヤケに立派に見えてきます。
朝ユックリ出て、明るいうちに帰宅できるお手軽ハイクでしたが、得たものは大きな満足でした。
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コメント
表丹沢のパノラマ、素晴らしいですね。
>これにはスレッカラシの私もかなり興奮しました。
「スレッカラシの私」には思わず微笑み、「海千山千」を連想しました。海に千年山に千年住んだ蛇は…と言う所からは外れますが、風花さまはきっと千を遥に超える山に登ってこられたのでしょうね。
投稿: 淡雪 | 2013年1月20日 (日) 15時15分
表丹沢パノラマの映像は、穏やかに見えるものの野辺山から見た八ヶ岳の感じに似ていなくもない、という気がしました。
このように少しでも雪を冠ると山の表情は変わりますね。山容の細部がはっきりわかります。
震生湖・・・関東大震災の置き土産でしたか。初めて知りました。春、秋はさぞ美しい風景になることでしょうね。
これですもの、山歩きはとうぶん止められませんね。
投稿: おキヨ | 2013年1月20日 (日) 15時15分
淡雪様
ある程度はイメージしていたのですが、実際には私の貧弱な想像力を超えたパノラマでした。
「スレッカラシ」とは言いましたが、実のところいつまで経っても老練になれず、山を見るといつも他愛なく胸中がざわついてしまい、それを悟られないようさり気無く装うのに努力してしまうのです。
3月になるとこの丘陵を菜の花が彩るようです。
そのころ表丹沢が雪の装いをしていたら一段と素敵な風景を演出くれるでしょう。
僥倖に期待するしかない、そんなチャンスが得られたら早速出掛けてみます。
投稿: 風花爺さん | 2013年1月20日 (日) 16時28分
おキヨ様
なるほど、大まかな輪郭はおキヨさんご贔屓の野辺山辺りからの八ヶ岳連峰を想起させますね。
主峰から自分に向かって伸びてくる目立つ尾根は赤岳から野辺山に降りてくる長大な県界尾根または眞教寺尾根ですね。
ここの場合は大倉尾根と言いますが・・・。
震生湖は日本で一番新しい自然湖だそうです。
小さな池ですが池畔の桜が水面に影を落とす季節にはさぞかし賑わうのでしょう。
さしたる関心がなかった場所でも意外な発見があります。
そのため、私の小さな遍歴もなかなか終えそうになりません。
投稿: 風花爺さん | 2013年1月20日 (日) 16時38分