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鎮魂の「御巣鷹の尾根」から大蛇倉山へ

2011年8月11日

「1985年8月12日(月曜日)は何の変哲もない、ありふれた夏の一日で終わるはずだった。」

Pokegi_yukata282 これは吉岡忍さんの『墜落の夏』の書き出しである。                                                    

そう、いつもどおりの日常で終わるはずだった、あの日の大惨事からもう26年も経つのか!

8月は日本人にとっては辛い記憶が蘇る月である。
2度にわたる原爆投下、終戦の日、そして520人の犠牲者を出したこの日航機の墜落事故。

この現場へ鎮魂のため詣でることを思いながら長い無為が残っている。
今年こそ、の思いを強くしていて、今年もやってくるその日の直前の10日、ようやく長年の宿題を果たし終えた。
出かけてみればこれまでの逡巡がウソみたいに造作のないことだった。

山荘から2時間ほどで「御巣鷹の尾根」の上り口駐車場。
そこから木立の下、擬木の階段を上り「昇魂の碑」の前に立った。
Photo 積年の思いを込めて合掌。

命日が近いせいかここまでくる人の数は多い。

南から墜落を始めた日航機は群馬県・東南隅の小さな尾根の南面に激突した。
情報が錯綜するうちに、現場は”御巣鷹山辺りらしい”ということで、当時は便宜的な意味もあって「御巣鷹山」が使われていた。
実際の現場は御巣鷹山の南、約2kmに位置しているが、固有名詞の無い場所なので、全然関係の無い「御巣鷹」が用いられ「御巣鷹の尾根」が固定した。
「日航の尾根」とでもすれば歴史的には分かりやすいだろうが、日航関係者にとっては生なまし過ぎるかな・・・。

さて、と写真を撮ろうとしたらスイッチが作動しない。
確かめたら電池が入っていないではないか!
シマッタ! 充電器に差したままにしていたらしい。

そんなチョンボでここからの写真はネット上で勝手にお借りしたものです。

ここだけではいかに軟弱な私とはいえ物足りない。
そこで、この夏一番の猛暑になる予報ではあるが、上信国境尾根上にある超マイナーな山「大蛇倉山」(おおだぐら、だいだぐら)1962mへ向かう。

慰霊碑の間を抜けて「御巣鷹の尾根」が西へと高まっていく尾根を辿った。
標高差400mほどのこの尾根の急なこと、半端ではない。
戻りの下降が思いやられる。

気息奄々、国境稜線に乗り上げ、そこから北へと、微かな踏み跡を拾って「大蛇倉山」へ着いた。

西の端にある露岩の上からは西側が開けていて「奥三川ダム」を隔てて目の前の「御座山」から野辺山の「天狗山」や「男山」を見ることができた。

Photo_2    Photo 大蛇倉山の西端からの八ヶ岳方向。

昇魂の碑まで戻ると、陸上自衛隊の隊員が続々とやってくる。
何かの訓練か?それとも慰霊なのか?
女性隊員も交じっている。
この暑さなのに完全装備。
いかにもバテている隊員もいるが、今日のコンディションでは無理もないだろう。

あのころのことにつながる断片を蘇らせながら山を下りた。
そして、東日本大震災に見舞われたこれから、御巣鷹の記憶の風化に拍車がかかることを憂えた。

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コメント

あの衝撃の日からもう26年も経ちましたね。大事故が普段好んで写生地としていた村の近くということで、私にしても忘れられないものですが、以後そちら方面にはなぜか足が向きません。亡くなられた方々への想い強すぎたのだとおもいます。。。足が元気なうちにお参りをすればよかったと今は思っています。

故郷の被災地を訪れるのも今は辛いですね。。。岩手、宮城ほどではないにしても懐かしい場所が破壊されたと聞いていますので。。。


投稿: おキヨ | 2011年8月15日 (月) 13時36分

おキヨ様
陳腐な言葉しか思い浮かびませんが「光陰は矢のごとし」ですね。
同じグループ会社の社員十数名があの事故で命を失っていたので、いろいろ悲痛な話を耳にしたのですが、それがまだそんなに遠い過去ではない、と思っているに、もう4分の1世紀が過ぎていたのですね。
あの時、奇跡としか言いいようがないのですが、助かった4人の女性、その後どんな人生を歩んでいるのでしょうか?
思い出したくない、それでも消すことができない記憶とともに、辛い日々を過ごしてきているのでしょうね。

投稿: 風花爺さん | 2011年8月15日 (月) 20時59分

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