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2011年6月

腕力不足に泣く、表妙義・中之岳

2011年6月26日

「晴登雨睡」~これが私の山家暮らしにおける基本パターン。
今日(24日)は梅雨晴れ・・・だから山へ。~表妙義へ。

高温多湿は私の大敵。
何もしなくても、それだけで疲労する。
なので、これから涼しくなるまでの間の山歩きはいささか辛い。

随分昔、部分的には歩いている石門辺りをなぞり、最近手入れされて、安全性が高くなったという情報がある表妙義の稜線へ、と言うのが予定。

P6240324 中之岳神社駐車場から見上げる「金洞山」
今日は結局、中央の「中之岳」までに終わったが・・・・。

帰宅してから分かったのだが、今日は「フェーン現象」だったようだ。
道理でやたら気温が上がり、強風が吹き荒れていたわけだ。

「かにのこてしらべ」から始った鎖場は、第四石門を潜り「ひょうてい(評定)」に至るまで、幾つあったろうか。
初めは数えていたが、途中から面倒になりやめた。
すでにいい加減、ひ弱な腕がなまってきている。

P6240316 おなじみの第四石門を通しての「大砲岩」

石門めぐりを終え「中之岳」へ向かう。
途中、強風に煽られて枯れ枝が何度と無く落ちてくる。

何本も繋がった鎖にすがって上りあげた狭い表妙義稜線の「コル」。
吹き抜ける風が心地よく、ザックを下ろし一息。

ト、突然、強い風に煽られたのか、何気なく石の上に置いたザックが登山道と反対の、西側の急斜面に落ちていった。
何だこれは・・・!

呆然と追う目に映ったのは、転げ落ちていくザックからペットボトルが抜け、ザッザッという音とともに落下していくその姿。
ほどなく下方のルンゼ(岩溝)の中でザックは消え、音も途絶えた。

何ということだ!
どこまで落ちていってしまったのか?

命に代えるほどの貴重品は無いが、それでも回収したい。

この急な斜面を下り、更に下のルンゼを下降出来るのか?
こんな場合の用意に、と思って持参したロープもザックの中ではこの際何の役にも立たない。

気を鎮めて観察すると、急斜面には細いながらも疎らに立ち木が生えている。
これを頼りに下れるところまで降りてみよう。
崩れる足場を慎重に確かめながらジリジリと下降。
立ち木が無くなった位置に幸運なことに大きな倒木が横たわっていて、そこで体勢を固めることが出来た。


そこから20mほど下に、木の間に挟まって止まっているザックが見えた。
もし、そこで止まらなければ、その先の急峻なルンゼで、どこまでも落下していってしまったことだろう。
立ち木は無くなったが、傾斜が緩んでいたルンゼをザックのところまで下りることが出来た。

回収し、露出している木の根などにも助けられコルに戻れた。
ヤレヤレ・・・・・

思いもよらない出来事にひるんだ気持ちを立て直し「中之岳」へ。
途中、頼りにならないトラロープを頼らざるをえない嫌なトラバース。

頂上直下の2段の鎖場。
殆ど垂直に近いが、岩にスタンスになる窪みが造られているのに助けられる。
上の鎖は出だしが被り気味だったが上部は傾斜が緩んだ。

P6240319 高所恐怖症にとっては居心地の悪い「中之岳」山頂。

君子ではないが、危ない所には近づきたくないし、何より腕がなまってしまった。
今日はここまでにしておこう。

それにしても、またもや金と力の無い色男の嘆き!
”おっ母さん、なんでオレを色男に生んだんだ!”

                  

                                                                                                             

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雲取山の原三角測點を確認に

2011年6月17日

々マニアックな話になる。
普通の人には全くどうでもいいことだが・・・・

山に上る人にはお馴染みの「三角点」
こだわりの人にとっては山頂に到着した際の、最初の儀礼が三角点へのタッチである。

この三角点を埋設する三角測量は幾つかの変遷を経ているが、近代測量黎明期に、旧内務省で企てられた全国測量の名残が「原三角測點」で、日本では現在3箇所でしかその存在が確認されていない。

群馬県・下仁田町の「白髪岩」と新潟県の「米山」、そしてここに登場する「雲取山」のそれである。

初めの二つは既に自分の目で確認しているが、雲取山のは見ていない。
いや、以前雲取には登った時には「原三角測點」などと言うものには全く知識も関心も無かったため、その存在に対する認識がまるで無かったため「見れども見えず」だったということである。

ここ数年そのことが頭の中に巣くっていて、気になってしようが無く、落ち着けない。
それを片付けてしまおうと昨年から雲取に登る計画を立てていた。


予定したコースは、奥深いこの山に、一番楽に上れそうな「日原林道」をドンヅマリまで車で入り、大ダワ林道を登って「大ダワ」経由するもの。
ところがこのルートが昨年4月に大崩壊し通行止めとなった。
それが今日に至るも回復するメドも立っていない。
 ~宿泊した小屋にその様子を写した写真が掲示されていたが、なるほど凄まじいものだ。

このままではいつになったら宿題を終えられるのか見当もつかない。
仕方なくその次に楽そうな「富田新道」を上ることに決め、梅雨の晴れ間が期待できそうだった15日~16日の2日間を利用し、出掛ける次第となった。

結局、期待に反し2日間、濃霧の中で雲取山の売り「展望」はゼロ。
言葉を交わした登山者が異口同音に口にしたのは”残念でしたね!

しかし、私には良くなかったお天気は何ら痛痒を感じるものではなかった。

この山からの展望は既に得ている。
今回は何より「原三角測點」の確認が目的。
そのことは果たせた。
それで十分だった。

P6150285 明治15年に埋設された「原三角測點」
左奥に現在の「一等三角点」がある。
面白いのは「原三角測點」の右後ろに相似形の「小原三角測點」があること。
一体どういう意味なんだろう?

標高差1100mの登りは今の自分には厳しい。
それでも標準タイムを下回り雲取山荘へ。

P6160292 山荘脇にある、秩父登山の先蹤者「田部重治」の記念碑。
「奥秩父 はるか眺めて 雲取に 立ちたるわれは 若人なりし」が刻まれている。
碑の傍らにはソロソロ終わりかけている「トウゴクミツバツツシ」が彩りを添えていた。

翌朝、再び雲取山頂に立ったが、キリは一段と深かった。

P6160295 この標識は山梨県側のもの。見劣りする埼玉県では近く立て直しするらしい。

石尾根の途中から左折し、唐松谷に沿う道を下った。
余り歩かれないルートのため、濃霧もあって内心の心配はあったが、それは杞憂であり、道型は明瞭で、道迷いする場面は無かった。
しかし、崩壊部分や、滑りやすい桟道が多く、滑落したら無事には済まない深い渓谷沿いの下山道ではかなり緊張を強いられた続けた。        
                                                               

                                                        

                                                        

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両神山・八丁尾根

2011年6月1日

とんでもなく早い梅雨入りで、風薫る五月というのに陰鬱な曇天続き。
そんな中で貴重な「晴れマーク」が出た5月31日、手強い岩稜歩きで知られる「両神山・八丁尾根」に向かった。

八丁トンネルの登山口駐車場からスタートすると、両神山域らしくハナから鎖場が始まる。
八丁峠の前後から「トウゴクミツバツツジ」の花盛り。
鎖場が次々現れる稜線を行くと縦3連の鎖場

P5310277 下から仰ぐので傾斜は再現出来ない。
雨上がりなので岩は濡れている。
左右に樹木が茂っているため高度感は無いので怖さは感じない。
ここを上りきったところが「行蔵坊頭」(標柱は「行蔵峠」)

急降下の後、2連の鎖場を攀じ上ると

P5310272 西岳 1612m

P5310268 行く手の両神山方向はガスの中。

根性ナシの私はここで引きかえすことにした。
天気が良くないことを言い訳にして・・・。
この先「東岳」を経由して「両神山(剣ヶ峰)」まで往復するには時間が遅すぎる。
いつの日にか、早朝スタート出来る準備を整えて仕切り直ししよう。

車に戻り、帰路は遠回りになるが、一旦秩父側の、かつて殷賑を極めた「日窒鉱業所」に下った。

P5310279 山峡にこんな廃屋が点在している。
現在は細々と操業しているらしく、簡易郵便局などもある。

雁掛トンネルを秩父側に抜けたところで折り返すように林道「上野大滝線」に入った。
この林道の最高部「天丸トンネル」を抜けて、再び群馬県に戻るためだ。

この春、反対方向の上野村側から天丸トンネルを抜けたところまで走った時の様子では全線舗装と予測していたが、未舗装で酷く荒れた路面になっている。
それでも5kmほど走ると舗装道路になった。
しかし、ヤレヤレと思ったのも束の間、やたらに落石が多い。
もし、大きな落石でもあって道が塞がれていたら・・・・
そんな不安がよぎっていたが、ガーン、大当たりだ。

P5310283                                                               

仔細に観察すると、落石とガードレールの間がもうせめて5cm広ければ、抜けられそう。
しかし、一番問題の岩はビクとも動かない。

この場面ほどつくずく自分が色男であることが悔やまれたことはない。
「色男、金と力は無かりけり」
”アーァ 俺は「シラノ・ド・ベルジュラック」のような醜男でもいいから、力持ちでありたかった・・・・” (・・・などとトンデモの勘違い)

何とかすり抜けられるか、やってみるか。
ソロリソロリと試してみたがやはりボディ下に当たってしまう。

こんな山奥、JAFは当てにできない。
荒れた林道へ戻る気は無い。
通りかかる車は無い。
梃子になりそうな丸太は無い。

ナイナイ尽くしで、私がしたことは、この癪な大きい岩コロに、持ち上げられる石をぶっつけて少しでも出っ張りを削り落とすことだった。
しかし、小さな石を大きなそれにぶっつけてみても壊れるのは小さな方だ。それでも、そんな試みが少しずつ功を奏してようやく5cmほど削れた。

再度身を縮めるように、ソロリと車を進めたら・・・バンザイ!抜けた!

これまで、車が入り込まない林道で何度こんな目にあったろうか。
それでも懲りずにパニックを繰り返している。

こんなハプニングもあって明日「浅間山」に登る約束だったが、戦意を喪失してしまった。

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