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越後の山も良いな!

2009年6月2

山にも県民性のようなものがあって、高い低いに関係なく、それぞれの地域の持ち味があります。
・・・と言うようなステレオタイプな物言いは避けなければいけないのですが・・・
また、深田久弥は”一番いい山は、一番最近に登った山だ”という意味のことを言っています。

そんな視点から今日は一番最近(5月28日)歩いた中越地方の「権現堂山」予想をこえて良かったので取り上げてみます。

越後の山も良いな!などと言えるほど新潟県の山を歩いているわけでもない私風情が、こんなタイトルをつけるのは、越後の錚々たる岳人の皆さまに申し訳ないのは重々承知の上で・・・。

越後の山の良さで私が真っ先に挙げたいのが、東京近郊の山で標高千m近くまで普通にある、あの暗くて人工的な、単調にして、何の風情も無い杉や檜の植林帯が少ないことです。

次いで、多分豪雪がもたらすプラスの所産としての豊かな植生ですね。
何よりどの山でもブナが見事ですが、雪解けのころいたるところで足の踏み場も無いほどに、無造作に咲き乱れるカタクリ、そして吉永小百合さんと妍を競うヒメサユリなどなど・・・

さて今日の山「下権現堂山」は標高897mという低山なので、残雪はスッカリ消えていましたが、標高300m辺りからヤマツツジが今を盛りと咲いていました。
こんな具合に山道を彩っています。

P5281302

つい先日歩いた日光の「赤薙山」では標高千m以上にならないと見られなかったのに・・・

さて、山頂直下に「弥三郎清水」という水場があることになっています。
とにかく美味しい水だそうで、それも今日のお楽しみです。
ところがいざ到着してみたら、確かに水場はあるのですが、岩の裂け目からは少しも水が沸いていないのです。
当てにして水は一滴も持ってきていません。

無いものはしかたない・・・と頂上へ。
薄いもやのかかった空の下に私が未だ登れていない「中の岳」やら「毛猛岳」やら「粟ヶ岳」などが誘惑の手を差し伸べていした。

 P5281303_2    

               

山頂には先着のグループがいて、賑やかに何やら作業らしきことをやっていました。
そうこうするうちに仲間らしい数人が「背負子」にペットボトルを何本もくくりつけて登ってきました。
ところがペットボトルの中身ときたら泥水です。
ン・・・あれを飲むのか?

訳を尋ねると”山頂に設けていた釣鐘の支柱が中越地震で倒壊し、復旧作業をしにきた。支柱の土台を固めるコンクリートを練る水として「弥三郎清水」を当てにしてきたのだが、涸れていたので、仕方なく沢水を汲んできたのだ・・・”と。
もう長いこと登っているが、清水が涸れたというこは全く無くて、今年は降雪が少なかったことが原因だろう・・・とも。

この清水について語られている伝説があるそうです。
権現堂山の岩穴に住み着き、吹雪に乗っては天空を駆けめぐり、幼児をさらっては食べた、という魚沼地方の伝説の鬼女「弥三郎婆」に由来して「弥三郎清水」と呼ばれるようになった、と・・・。

それにしても「安達ヶ原の鬼女」といい「戸隠山の鬼女・紅葉」といい、どうして怖い鬼は女なんでしょうか?
愚見ですが若しかしたら実際にあった「姥捨て山」への贖罪意識がもたらしたアンチテーゼとして、こうしたオドロオドロしい伝説が生まれたのではないでしょうか。

・・・ということを書いたら、たまたま読んでいる細田弘さんの『夢想の峯々』に同じ考察をされた文章に出合いビックリしました。

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コメント

(一番いい山は一番最近登った山だ)は凄くよく判りますね。
私の場合、(どういう絵が好きか)と聞かれたとすると、最近見た絵をいう事が多いです。それぞれ比較できない魅力があるということでしょうね。

で、お水がなくてどうされたんでしょう?
花道?^^を歩いて頂上を目指すのは至福のときでしょうね。

(安達ヶ原の鬼女)や(戸隠の鬼女紅葉)は有名ですが、魚沼地方に鬼女が居たとは知りませんでした。
鬼女は案外各地に存在しているかもしれません^^
私は神秘性という理由でやはりこのオドロオドロしさは女性に限ると思います^^鬼女はどこか悲しい理由がありますね。

 

投稿: おキヨ | 2009年6月 2日 (火) 13時55分

おキヨ様
山歩きには常にお茶を持参し、水分はこれで補給するのが私の山歩きのスタイルなのです。
私はだいたい余り水分をとらなくても済んでいるため、水を持たないことも多いのです。
なので今回のような場合でもパニックになることはありません。
山の水は美味しいので、大腸菌の心配の無いところでは必ず飲みますし、それが楽しみの一つです。
知ったか振りで恐縮ですが「高村光太郎」がこんなことを書いています。
「山に行きて何をしてくる
  山に行きてみしみし歩き、水飲んでくる」

さてお説の通り鬼女伝説にはどこかしら哀れさ、物悲しさがありますね。

投稿: 風花爺さん | 2009年6月 3日 (水) 06時43分

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