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本居宣長の思い出

2009年2月11日

タイトルに惹かれ、中国文学者・高島敏男さんの著書『座右の名文』を読んでいます。採り上げられている十人の文章家の中の「本居宣長」の項を読んでいて、遠い、遠い昔の出来事を思い出しました。

 Img035_2                  

                       

人の自慢話というのは耳にザラつく、ということは良く分かっているつもりながら、あえてお耳障りを一つ・・・・
人様に自慢できるようなことは殆んど無い私なので、これはレアものです・・・ナーンて。

それは小学校(当時は国民学校)2年生のときのことでした。
ある授業の時、先生が「日本人の精神(心)とはどういうものか言ってごらん」というような質問をしたのですね。

2年生に答えられるような質問ではありませんよ。

そのときまだ幼かった(当然ですが)私が凛々しくも、決然(?)と手を挙げ、胸を張って(?)言いました。

敷島の 大和心を 人問わば
          朝日に匂う 山桜花」

先生は腰を抜かすほどビックリしました。(多分)
2年生から<本居宣長>が出るなんて想像を超えるできごとだったはずですから。

入学前から本の虫で、手当たり次第に本を漁って、時間を忘れ読みふけっていた中で、たまたま覚えいたのでしょうね。

意味もよく分からないまま、咄嗟に思い浮かんだ一首です。

1年生当時は病弱で、おまけに幼稚園から入学した街中の同級生の世間慣れした態度へのコンプレックスで、イジケテいた私が、この一首で俄かに脚光を浴びる存在になりました。

想像ですが、教員室で”凄い生徒がいるぞ!”などと大いに話題になったと思います。

太平洋戦争が始まり、緒戦で戦況を有利に進めていて、大いに国威を発揚していた時代背景ですから、国粋主義の学者としてもてはやされていた宣長の歌は見事に時代とジャストフィットしていたのでしょう。

それを諳んじている私は「天晴れな小国民」というわけです。

かくして、私の眠っていた才能(?)が一気に目覚め、どちらかといえば劣等生に近かった私が、学年末には優等生の総代として賞状を受けるまでに駆け上がってしまいました。

今、振り返ってみればあの頃が私の頂点で、以後、60年以上に亘り、長い長い坂をユックリ下り続けているようです。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

風花さんはホント文学少年だったのですね!でも先生が質問して迷わず手を挙げて答えたなんてすごい勇気があったと思います。人は何がきっかけで廻りの人が自分を見る目が変わるか分かりませんね!小学2年生の時の出来事が今も自信に繋がっていると思います。下り続けているなど思わないでこれからも頂点目指して努力・努力ですよsun

投稿: 姉ちゃん | 2009年2月11日 (水) 09時40分

姉ちゃん様
くだらない自慢話におつきあいいただきありがとうございます。
あのまま順調に生長していれば、一廉の人物になれたかもしれませんが「二十歳過ぎればただの人」になってしまいました。
姉ちゃんさまの応援メッセージに励まされて、一歩でも前に進めるようガンバッテみましょう。
小学生・低学年のころには他にも生涯忘れられないことが幾つかありますので、折りをみて書いてみます。
懲りずにまたご覧ください。

投稿: 風花爺さん | 2009年2月11日 (水) 13時54分

本居宣長の歌を小学2年生の口から発せられたらさぞや先生は腰を抜かさんばかりに驚いたでしょうね(^o^)丿
しかし想像にかたくありません。風花さんの賢い少年時代が十分今につながっておいでです。
楽しい昔話、事実をお書きになっているのですから少しも自慢話とは思いませんが。

風花さんがどのような少年、また青年だったか今後も楽しみです♪

投稿: おキヨ | 2009年2月11日 (水) 23時43分

おキヨ様
間違っていると思いますが、戯れ歌で
「十で神童、十五で天才、二十歳過ぎればただの人」
そんな例は沢山あるでしょうが、私の場合もそのまんまです。(;´д`)トホホ…
それでも、こんな駄文を連ねて、見ず知らずの方に読んでいただける世の中になって、あり難いことです。
調子に乗って、また昔話をアップするかも知れません。
よろしくおつきあいください。

投稿: 風花爺さん | 2009年2月12日 (木) 06時16分

風花さん 今晩は

恐れ入りました、まず 頭に浮かんだ感想です。
 咄嗟に思い浮かんだ・・・・・・・・これが すごい。
本居宣長 中学生の時 聞いた名前だなあ。
そして その歳で読書      これがまた すごい。
     (ごめんね)
 40代前半までは それなりに読書。PCやりだして 読書は
 はるか 彼方へ、それにね、目がかすんで。
 75才の友人と雑談した時 彼も私と同じでした。

これまでの風花さんの投稿文読んで 納得しています。
 下り坂はまだ早いでしょう。
また昔話お願い致します。sun
 

投稿: 青果 | 2009年2月12日 (木) 21時01分

青果様
お褒めにあずかり(褒めていただいたのですよね?)恐縮します。
私の場合、サラリーマン(ビジネスマンのレベルには達していなかったですね)になってからは本を読むというと、「長期経営計画の立て方」とか「バランスシートの裏を読む」とか「部下の上手な叱り方」とか、所謂ハウツーものなどの、無味乾燥なものばかりになってしまいました。
結果的に「読書」という点から見ると「失われた○十年」になってしまいました。
幸い、目の方は何とか頑張っていてくれますので、この空白をいくらかでも取り返したいと、時には読書の愉悦に浸ることを心がけている、というわけです。

投稿: 風花爺さん | 2009年2月13日 (金) 06時27分

今も、自信の塊のような姿、形ですが、そのルーツはここにあったのですか!。                             勢いつかすと手が付けられなくなるものですからね。       多分、今は多少枯れてきましたが、青年時代は“唯我独尊”、生粋なおっさんだったのでしょうね~。
“憎まれっ子世にはばかる”
期待しています。

投稿: kuromap | 2009年2月18日 (水) 10時20分

kuromap様
自信の塊、なんてとんでもない話です。
人生の大半を劣等感にさいなまれながら過ごしてきましたよ。
何か一つ、これだけは誰にも負けないゾ、というものもついに身につかないまま、ゴールを迎えるでしょうネ。
その点、kuromapさんには「地図」がありますからね・・・。
「唯我独尊」などの振る舞いもしていないつもりですが、若しそう見えることがあれば、それはコンプレックスの裏返しです、多分。
何はさておきkuromapuさんに絶縁されないよう、似合いませんが「謙虚」を心がけます。

投稿: 風花爺さん | 2009年2月18日 (水) 16時23分

さすが風花さんらしい逸話ですね!
もう尊敬のまなざしです(*^_^*)
いつもだらだら書きのブログ主ですのでお恥ずかしですが
生涯勉強だと思っていろいろなものを見聞きしていこうと思います…。
端から忘れないように片耳は押さえなくてはならないかもしれません(;´д`)トホホ…
またいろいろな刺激を楽しみにしています!

投稿: miy | 2009年2月18日 (水) 21時04分

風花様の素晴らしい説得力ある文章に
納得させられて、前々から只者ではないと
思ってはいたのですが
小学2年で本居宣長の歌が飛び出すとは・・・
いやはや恐れ入りました。

小学校から本の虫だったのですね、凄いの一言です。
私なんか只のガキ大将、子供の時代から
この年になっても平凡そのものの生き方で
何の取り得もなく恥ずかしいです。

まだまだ低学年の時の逸話があるとのことで
楽しみです!
それにしても記憶力の確かさに驚きです。

投稿: かおり | 2009年2月18日 (水) 21時53分

miy様
生涯勉強の心がけは大事なことですね。
私もある時期、長いことまともな勉強をしていなかったため、後悔することしきりです。
いまごろになって気がついても手遅れなんですが、それでも何とかしなくては、と悪あがきをしています。
miyさんの奔流のようなブログの更新スピード。
これも立派に、miyさんの才能がもたらしてくれているものですよね。
私など真似したくても出来ません。

投稿: 風花爺さん | 2009年2月19日 (木) 18時57分

かおり様
ガキ大将!
いいですね。憧れですよ。
私もなれるものならガキ大将になりたかったですよ。
数年前、中学の同窓会がありました。
私の隣の席には、同学年生の頂点に立っていたボスが座りました。
昔のワルの印象がありますから、正直なところ、少々怖かったです。
しかし、現実の彼には身体も小さく、昔の面影は全く残っていないで、どこにでもいるタダの好々爺でした。
天才も、ガキ大将も、いつしかはタダの人になってしまうものですね。

投稿: 風花爺さん | 2009年2月19日 (木) 19時09分

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