2008年11月2日
このブログでも以前紹介した<松浦隆康>さんの2冊のヴァリエーションルート本は、私を「迷宮」に誘い込むとてもキケンな本です。
落葉期を迎えると、そぞろ「迷宮」入りが面白くなります。
このところ、幾つかの道無き山を踏査していますが、10月31日にもその一つに・・・。
「本社ヶ丸」1631mは中央線・笹子駅の南にあり、反対の北側にある人気の「滝子山」に比べていかにも地味な存在です。
その山頂付近から笹子駅方向に2本の尾根が延びています。
今日はそのどちらかを下降する計画。
東電・山梨変電所近くの林道に車を止め、一般ルートで「清八峠」経由で山頂へ。
そのころは既に空を厚い雲が覆っていました。
さてどちらを下降しようかな。
どちらも尾根上に送電線の鉄塔が立っていて、いずれは「黒野田林道」に下りつく。
思案の末、山頂から東へ下って1541m峰からの尾根を下ることに決めました。
さて下降点を探さなくては・・・
その辺り、北側へはノッペリした斜面がひろがっていて、尾根筋が全く確認出来ません。
たまたま、一本の立ち木に黄色いテープが巻いてありました。
その意味するものは不明でしたが、他に何も見当たらないので、そこを下降点と定めました。
そのうち尾根筋がはっきりしてくるだろう・・・と、かなりテキトー。
葉は落ちていますが、密生する樹木のため周囲は見通すことが出来ません。
ただ、日陰のお陰で下草が全く生えていないのが助かります。
足元の落ち葉の下は、砕石を敷き詰めたようなグズグズの急斜面。
なので踏み出す足元はズルズル崩れ落ちます。
時おり、転石が混じり、石の間に足が嵌まることも・・・。
そのたびに足を突っ張るので筋肉疲労が大きい。
どうも尾根の形状にならない。左(西)に寄りすぎたな・・・
で、右(東)へルートを修正。
幾つかの支尾根や、浅い谷を横断しながら思い切り右斜めに下降。
と、落ち葉を蹴散らした跡が現れました。
ケモノミチだろうが、まるで人間が歩いたようにジグザグに下っていきます。
誘われて追随したが、それも程なくフッと消えてしまいました。
予定していた尾根に乗れていないのは明らか。
左下からかすかに水流の音も聞こえてきます。
もっともっと、思い切り右へ修整しなくてはならないのだ。
そうしていると、水流の無い谷に行く手を遮られました。
その対岸に行きたいのですが、谷底までの落差が6~7m。
両岸は抉られたように、急角度で落ちていて、下降するための手がかりは皆無。
たとへ下降出来たとしても、向うの岸へは全然登れない。
補助ロープ、スリングの類は全く用意していないし・・・。
今の状態で細心の注意が必要なことは、言うまでも無く怪我。
事故さえ起こさなければ小さな山のこと、何とでもなるだろう、と相変わらずノーテンキ。
岸辺を探りながら下っていくと、たまたま露出した木の根がまるでザイルを下ろしたように谷底へ延びているのが見えた。
対岸には露岩があって、そこが何とか上れそうだ。
脆い足場をだましだまし、何とか谷の底に下り立ち、対岸を上ることが出来ました。
ヤレヤレ。
暫らく進むと明瞭な尾根に乗れました。
ヤー、少しばかり手こずったがこれで万事OKだろう・・・。
と、安心して狭い尾根をドンドン下っていったのもつかの間。
木立が切れて、そこから右後方の高い位置に鉄塔が見えました。
アレッ・・・あいつは俺が予定していた尾根ではないか?
だとすれば、この尾根は、自身、地形図を見て注意していた「主稜から途中で分かれる支尾根」ではないか。
だとすれば、この尾根はいずれは出会いたくない、と避けていた谷に落ちるのだ。
尾根の末端に近くなって尾根を横断するケモノミチがありました。
それを、崩れるように右へ下降して浅い沢におりました。
この沢は、地形図の通り、流れの音が一段と大きくなった本流に合流。
いよいよとなったら靴を脱いで渡渉しよう、と覚悟していたが、幸いそれほどの水流は無くて、何とか慎重に対岸(左岸)に渡れました。
どこからともなく、赤いプラ杭が現れ、一定の間隔で続いています。
人工物だから、当然人が歩いている筈。
尾根と沢の中間の急な山腹を、相変わらず足元を崩しながら下降。
やがて左から高度を下げてきた尾根に乗りました。
あちことで見かける電力会社の巡視路のプラ階段。
何のことはない、もう一つの選択肢にあった西側に並行する尾根の末端に乗った、ということ。
選んだ尾根は全く辿れず、選ばなかった尾根に辿りついたのですね。
ゴールの林道は直ぐ下に見えてきました。
かくして、今日のプチ・アドベンチャーは終了です。
ヤレヤレ!
崩れる足元をツッパリ続けていたので、筋肉はすっかり強張っています。
本日の教訓
「道の無いルートは上りに用いるべし」
上りならルート修整は最小限に止められる可能性があるが、下降の間違いは、大きな修整を余儀なくされる・・・当たり前だろうが・・・。
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